PIVOT TALK BUSINESS
家族ディズニーは20万円。「課金の国」を読みとけ
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2025年8月13日

チケット値上げ、園内インフラ、推し活──「夢の国」はいつから「課金の国」になったのか?新アトラクションの開発投資、増える海外客、中東初のディズニー/USJ、ちいかわパーク、ジャングリア、キッザニア/テーマパーク経済の今を、ビジネス視点で読み解く。 <ゲスト> 中島恵|テーマパーク経営 研究家 20...
ディズニーの驚きの経営戦略!チケット価格高騰の裏側と賢い攻略法

Q. ディズニーの人気シーズンはいつ?
夏休みやお盆の時期はディズニーが混雑する印象があるが、実は1番人気なのはハロウィンシーズンだ。ハロウィンシーズンは様々な要素が重なって最も混雑する時期となっている。気温が心地よく、雨も少なく、花粉症の心配もなく、台風もほぼ来ない時期だからだ。
キャラクターたちもパンプキンデザインの衣装を着て可愛らしく、写真映えもする。通常は空いているホーンテッドマンションも、ハロウィンからクリスマスにかけて「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」とのコラボレーションで2時間待ちになるほどの人気となる。
Q. ディズニーリゾートの今後の開発計画は?
東京ディズニーランドでは2つの大規模開発が進行中だ。1つは「シュガー・ラッシュ」の世界を舞台としたアトラクションで、投資額295億円、2026年度以降の開業を予定している。もう1つはスペースマウンテンと周辺エリアの一新で、投資額705億円、2027年開業予定だ。
ウォルト・ディズニーの時代から、毎年何らかの新しいものを追加投資することでリピーターを呼び込む戦略が続いている。映画作品の世界観をアトラクションとして具現化していくのがディズニーの特徴で、ウォルト・ディズニー自身がアニメーターだったことから、「1つの映画作品が1つのアトラクションとして表現される」という考え方がベースにある。
Q. ファンタジースプリングスはなぜそんなに人気なの?
2023年にオープンした東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」(通称:ファンスプ)は、コロナ禍で発表された後、どうなるのか注目されていた。オープン後は予想以上の人気で、当初は入場制限が必要なほどだった。

最初の時期は、通常の東京ディズニーシーのチケットを持っていても、このエリアに入るためには別途アプリでの抽選に当選するか、追加料金を支払う必要があった。それほど人気が高く、混雑が激しかったためだ。現在は制限がなくなり、東京ディズニーシーのチケットがあれば自由に入場できるようになっている。
Q. チケット料金の変動制はどういう仕組み?
2021年から変動価格制が導入され、混雑する日ほど料金が高く、空いている日ほど安い仕組みになっている。これは需要を平準化させるための戦略だ。現在の価格帯は7,900円から10,900円まで、約3,000円の差がある。
最も料金が高いのは、夏休み・お盆周辺、ゴールデンウィーク、春休みの土日、ハロウィンシーズンの三連休や土日だ。逆に安い時期は、春休み明け(4月)やゴールデンウィーク明けの少し後(5月)となっている。
Q. ディズニーの経営戦略に変化はあるの?
近年、入場者数は減少しているが、売上高は過去最高を記録している。2019年3月期には3,255万8,000人だった入場者数が、2025年3月期には2,755万8,000人と減少。しかし、1人当たりの売上高(客単価)は右肩上がりで増加している。

この背景には、コロナ禍での入場制限と年間パスポートの解約があり、売上を確保するために客単価を上げる戦略へと転換した。具体的には入場料の値上げやファストパスの有料化などを実施している。
Q. テーマパーク内の物価はどう変化した?
テーマパーク内の物価も大幅に上昇している。例えば、人気のチュロスは2000年代には250円で今より長かったが、現在は450円と約2倍になり、サイズも小さくなっている。ポップコーンバケットも1990年代終わりから2000年代前半は1,500円から2,300円程度だったが、現在は2,500円から3,500円に値上がりしている。
飲食物から商品まで、ほとんどのものが2〜3割から5割程度値上がりしており、テーマパーク内のインフレが進行中だ。この傾向はディズニーだけでなく、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなど他のテーマパークでも同様に見られる。
Q. ディズニーリゾートのガチ勢とは?
ディズニーには様々なタイプのファンがいる。アトラクション中心に楽しむ「アトラ派」、ショーやパレードを見ることを重視する「ショーパレ派」、キャラクターとの写真撮影や握手を楽しむ「キャラグリ派」、撮影を中心に楽しむ「撮影派」、グッズ購入を楽しむ「グッズ派」、パーク内の食べ物を楽しむ「フード派」などだ。

特に「ショーパレ派」と呼ばれるファンは、朝早くから入園し、最高の場所にレジャーシートを敷いて座り、ショーやパレードを待つ。また「ダンサー派」と呼ばれるファンは、特定のダンサーのファンで、そのダンサーが出演するショーやパレードのスケジュールを調べて追いかける。
Q. 家族でディズニーに行くといくらかかる?
家族4人でディズニーに行くと、やり方によっては1日で20万円近くかかることもある。宿泊を含めた「バケーションパッケージ」(ホテル1泊と2日間のパークチケット、アトラクション利用券、ショー・パレード鑑賞券などがセット)を利用する場合、1人あたり5万円から20万円程度。
最も安いディズニー直営ホテル「ディズニー・セレブレーション・ホテル」でも、安い季節の平日に4人で無理やり1部屋に泊まっても2万5千円ほどかかる。さらにチケット代や飲食費、お土産代を含めると、かなりの出費となる。
Q. 今後もチケット価格は上がり続ける?
専門家の見立てでは、今後もチケット価格は上昇すると予測している。その理由は、何百億円単位の追加投資があり、その投資回収のためにゲストから回収する必要があるからだ。「優遇してほしいなら課金してね」という方針は今後も続くだろう。
また、外国人来場者の比率が上昇しており、日本より物価の高い国から来る観光客にとっては、現在の価格でも許容範囲内という事情もある。これにより、ディズニーは日本だけでなく世界市場を視野に入れた価格設定をしている。
Q. 上手に楽しむためのコツは?
少しでも混雑を避けて楽しむなら、早朝からの行動が鍵となる。9時オープンの場合、朝6時には到着することが望ましい。また、ショーやパレードを良い場所で見るには早めに場所取りをするか、有料ファストパスを購入する(4人で約1万円)。
また、チケット価格が安い時期(4月の春休み明けや5月のゴールデンウィーク後)を狙うことも一つの手だ。ただし、日付によって価格が変動するため、事前にチェックすることが重要。さらに、情報収集を欠かさないことも大切で、公式サイトやSNSなどで最新情報をフォローすることがおすすめだ。