PIVOT TALK BUSINESS
最短英語習得のキーワードは暗示学習
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2025年7月25日

英語が日本語のようにスッと出てくる英語脳を作るためには、じぶん英語を育てていく必要があるという。 英語に苦手意識のあるPIVOT MC西川が科学的根拠に基づいた最短英語学習法を『英語が日本語みたいに出てくる頭の作り方』の著者で最短英語学習の専門家、川﨑あゆみ氏に聞いた。 <ゲスト> 川﨑あゆみ|最...
単語帳は間違い?科学的に正しい英語の習得法
多くの人にとって、英語学習は挫折と努力の繰り返し。特に日本語と英語の壁を越えるのは簡単ではありません。第二言語習得の専門家・川﨑あゆみさんは、「科学的根拠に基づいた英語学習法」を提唱しています。従来の単語帳や文法書中心の勉強法とは一線を画す、脳科学に基づいた効率的な習得法とは?

Q. 科学的根拠に基づいた英語学習とは具体的にどういうことですか?
第二言語習得論という学問分野があります。これは脳科学、言語学、心理学、認知科学などを基に、人がどのように第二の言語を習得していくかというメカニズムやプロセスを研究しています。ここから、科学的に習得しやすい順序で学べる方法が導き出されています。
母語は生活していれば誰もが獲得できますが、第二言語になると成功する人としない人に分かれます。この違いを研究することで、効率的な学習法が見えてきました。
Q. 暗示的な学び方と明示的な学び方の違いは何ですか?
英語学習には大きく分けて2つの方法があります。暗示的な学び方と明示的な学び方です。

暗示的な学び方は、英語を英語のまま内容に集中しながら身につける方法です。自分が理解できるレベルの簡単な英語から始め、内容自体を楽しみながら少しずつパターンを吸収していきます。これは子どもが言語を習得する方法に近いものです。
一方、明示的な学び方は、単語帳で暗記したり、文法書を読んだり、ドリルをやったりと、言語そのものに意識的に集中して学ぶ方法です。「今この単語を覚えている」と意識しながら学ぶのが特徴です。
第二言語習得論では、暗示的な学び方、つまり簡単なものでもいいので多くの英語に触れるというアプローチが重要視されています。
Q. どうして従来の単語帳や文法書中心の勉強法では英語が身につきにくいのですか?
単語帳や文法書が悪いわけではありませんが、それだけでは不十分です。多くの人は「知識」としては英語を持っていても、実際に使えないという壁にぶつかります。
例えば、三人称単数現在形の「s」は早い段階で学んでも、実際に話そうとすると出てこないことがよくあります。「s」が分からないからもう一度基本から学び直そうと考え、知識を積み上げても、実践では同じ壁にぶつかります。
知識の積み上げではなく、実践を通じてパターンを吸収していくことが大切です。自分の目的に合わせた実践を重ねることで、脳に自然と言語が定着していきます。
Q. 効果的な英語学習の進め方を教えてください
まず自分の目的を明確にすることが大切です。例えば「スポーツイベントで英語と日本語を交えながらアナウンスしたい」という目的があれば、それに特化した学習をします。
次に、自分の現在のレベルを知るために、CEFRという国際的な言語能力指標に基づいたテストを受けるといいでしょう。A1からC2までの6段階で評価され、これにより自分がどこにいて、どこを目指すべきかが分かります。

その上で、いつまでに何ができるようになりたいかという期限を設定します。例えば「3ヶ月後のスポーツイベントまでに、選手へのインタビューが理解できるようになりたい」といった具体的な目標です。
Q. 暗示的な学び方の実践方法を教えてください
多読、多聴、会話が暗示的な学び方の基本です。自分が理解できる簡単な英語の素材から始め、少しずつレベルを上げていきます。

例えば、好きなスポーツのニュース記事を読んでみて、難しければAIなどを使って英検3級レベルの単語に書き換えてもらうなど工夫します。自分の関心がある分野の英語に触れることで、自然と単語やフレーズが身についていきます。
例えば「It was a tough game」というフレーズをスポーツ選手のインタビューで繰り返し聞くことで、「tough」という単語の意味や使い方が自然と身についていきます。これが暗示的な学習の一例です。
Q. 「自分英語」とは何ですか?
第二言語習得論では「中間言語」という概念があります。これは私たちの日本語と英語の間に位置する、自分の頭の中にある言語のルールブックのようなものです。私はこれを「自分英語」と呼んでいます。
最初は日本語よりの言語体系から始まり、英語に触れたり、アウトプットしたりするうちに少しずつ英語のパターンが身につき、目標言語である英語に近づいていきます。
例えば「tough」という単語を覚え、それが「tough game」というフレーズになり、さらに「It was the most tough game in this season」というより複雑な表現になっていくように、少しずつ自分の中の英語が成長していくイメージです。
Q. 英語学習でモチベーションを保つコツはありますか?
モチベーションを保つためには、まず目的を明確にすることが大切です。また、「知識を積み上げれば英語が話せるようになる」と考えると挫折しやすくなります。
脳は文法や単語を順番に習得していくわけではなく、実践を通じてパターンを吸収していきます。そのため、完璧を目指すのではなく、自分の目的に合わせた実践を重ねることがモチベーション維持につながります。
また、自分が興味を持てる分野の英語に触れることも重要です。好きなスポーツのニュースや選手のインタビューなど、自分にとって意味のある英語を使うことで、学習が楽しくなります。
Q. 英語レベルを上げるのにどれくらいの期間が必要ですか?
CEFRのレベルで言うと、A1からA2に上がるには、1日2時間ほど英語に触れる生活を3ヶ月ほど続けることが目安です。A2からB2までは約6ヶ月の期間が必要とされています。
ただし、目的に特化した学習をすることで、特定の場面での英語力は短期間で向上することもあります。例えば、スポーツイベントでのアナウンスに必要な英語だけを集中的に学べば、全体的な英語力がB2に達していなくても、その場面では十分に対応できるようになります。
大切なのは、闇雲に様々なことを学ぶのではなく、目的に合わせて効率的に学習することです。