TIME IS
【資産80億円の個人投資家が教える投資法】50億円を全額BETした株とは
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2025年7月24日

多忙なビジネスパーソンへ、圧倒的な成果を上げている著名人が時間術のヒントを提供する「TIME IS」。今回は、元手50万円から資産80億円に増やした個人投資家・医師のたーちゃん氏に独自の投資法を聞く。 <ゲスト> た一ちゃん|個人投資家/麻酔科医 <参考書籍> たーちゃん『50万円を50億円に増...
シクリカルバリュー株で大儲け!元手50万円を80億円に増やした投資家の戦略
元手50万円を80億円に増やした個人投資家が明かすシクリカルバリュー投資の秘訣。「みんなが嫌がる赤字企業こそチャンス」「赤字企業を追いかける方が、黒字企業を追いかけるより安全」という逆転の発想とは?

Q. シクリカルバリュー投資とは何ですか?
シクリカルバリュー投資とは、景気の変動によって株価が上下する銘柄に投資する手法だ。景気の谷にある銘柄を見つけ、業績回復のタイミングを見計らって購入する。業績の回復をいち早く見つけることが重要になる。
具体的な例として、鉄鋼、非鉄、ガラス、土木、石油、石炭、ゴム、化学、紙パルプ、繊維などの業界が挙げられる。これらは差別化が難しい商品を扱っており、価格競争が激しい業界だ。コモディティを扱う古い企業が多い。
Q. シクリカルバリュー株の株価サイクルはどうなっていますか?
景気循環は基本的に4年程度で一巡する。拡張期間が長く、後退期間は短い傾向がある。比率としては2対1から3対1くらいのイメージだ。ただし、業界によってサイクルは異なる。造船なら20年、建設や半導体はまた違ったサイクルを持つ。

シクリカルバリュー株の業績回復には段階がある。まず数量が増え、次に価格が上がる。景気が低迷している時、何らかのきっかけで需要が増えると、まず安い製品が売り切れる。数量が増えた後、品不足になり価格が上昇し始める。価格上昇で利益が見込めるようになると、業界全体で増産体制に入る。
この「価格が上がって増産する」タイミングが最も良い投資ポイントだ。数量増加と価格上昇の掛け算で、経費はあまり変わらないため、業績が飛躍的に回復する。このタイミングを先取りできるかどうかが鍵となる。
Q. シクリカルバリュー投資のメリット・デメリットは?
メリットは、儲かる時は非常に大きな利益が得られることだ。一方、デメリットは損する時も大きく損することになる点だ。そのため、綿密な分析が必要になる。
また、不評から好評に転換するタイミングは常にあるわけではなく、数年に一度しか来ないことも多い。そのような時には、資産バリューや収益バリューの銘柄に投資するなど、他の投資手法を併用するといい。
Q. シクリカルバリュー株はどうやって探すのですか?
指標を読み、ずっと右肩下がりで赤字の業界を探す。指標を見ると、近い番号のところに同業者が固まっており、同業他社が全部調子悪い業界が見つかることがある。そのような業界を見つけたらウォッチしておく。
ただし、調子が悪いからといって即座に購入するのではなく、回復の兆しが見えた時に購入する。赤字の企業を探す際は、できれば2年連続で赤字になっている企業が良い。2年続くと多くの投資家が離れていき、継続企業の前提に関する注記がつくことも多い。そうなると機関投資家も離れ、株価が割安で放置されることが多くなる。
黒字化のタイミングを見極めるには、まず数量の増加を察知することが重要だ。数量が増えた後に単価が上がるターンが来るので、そのサインを見逃さないようにする。業界紙を読んだり、内部で働いている人が忙しくなってきたという話を聞いたり、設備投資が始まったという情報を得られれば、単価上昇のサインと捉えることができる。
Q. 赤字企業の株を買うことについてどう考えていますか?
赤字企業の株を買うことに多くの人は抵抗感を持つ。しかし、それこそがチャンスだと考えている。みんなが嫌がるからこそ、割安で購入できる機会がある。
単価が上昇し、赤字から黒字への転換タイミングを捉えられれば、それは安全な投資となる。むしろ、業績の良い株を買って大きく下落するケースの方が危険だと思う。株が1/5や1/10になるほど下落することも珍しくない。黒字企業を追いかける方が逆に怖いと感じている。
一見リスクが高そうに見える赤字企業だが、回復する時はリスクが低くリターンが非常に大きい場合が多い。また、配当がなくなった瞬間に株を売る人が多いが、そういうタイミングこそ狙い目だ。配当はまた戻ってくるものだからだ。
Q. 実際に購入したシクリカルバリュー株について教えてください
投資を始めた最初に購入したのは金融株だった。最近では造船株、特に名村造船所を購入した。日経新聞で造船の単価が上がっているというニュースを見て購入を決めた。
造船業界は長らく冬の時代が続いていた。中国や韓国が政府の補助金を受けて設備投資をしていたのに対し、日本は補助金がなくコスト面で不利だった。その結果、多くの日本の造船会社が撤退した。三菱造船のような歴史ある会社ですら造船事業から撤退するほどだった。
しかし、日本は海に囲まれている国であり、造船業がなくなるとは考えにくかった。船価が上がってくると状況は一気に逆転するというシナリオが見えたため、購入を決断した。当時、名村造船所の株価は350円程度だったが、一株利益が400円を超える可能性があると考え、非常に割安と判断した。
Q. 名村造船から韓国造船へ投資を移した理由は?
シクリカルバリュー株は、同業界の企業が似たような業績を出すという特性がある。出遅れ銘柄は必ず上がるという法則もある。韓国の造船会社は名村造船と比べて1年ほど出遅れていた。
調査すると、名村造船は2年分の受注残があり、韓国の造船会社は3年分の受注残があることがわかった。つまり、黒字化するタイミングが1年遅れるため、株価も1年遅れて上昇すると予測できた。
「野球で言えば、ど真ん中のスローボールが全く同じ軌道で2回来る、1年遅れにやってくる」という状況だった。名村造船の時にもっと購入すべきだったという反省もあり、韓国造船株には大きく投資することにした。
Q. 韓国造船への集中投資について迷いはなかったのですか?
名村造船の時に「なぜ全部入れなかったのか」という後悔があったため、迷いはなかった。最初は資産の20%程度を名村造船に投資したが、他の保有株と比較すると名村造船の方が圧倒的に魅力的だった。理想的には資産の100%を投資すべきだと思ったが、60%程度にとどめていた。

その経験から、同様のチャンスが来たら100%投資しようと決めていた。そして韓国造船株にはその決断通り、全額を投資した。
韓国造船株は過去の最高値である52万ウォン程度まで上昇すると予想している。さらに最近では、トランプ政権が中国製の船舶に対して入港料を割増で徴収する政策を始めたため、世界の海運会社が中国以外の造船所に発注するようになっている。そのため、当初の予想以上に株価が上昇する可能性もある。
Q. 分散投資についてどう考えていますか?
基本的には分散投資が良いと思う。普段は自分も分散投資しており、一銘柄はポートフォリオの20%以下に抑えるというルールを守っている。ただし、本当に勝負どころと判断した時だけ、そのルールを外している。
集中投資する際は、徹底的に調査することが重要だ。大きなポジションを取る時は必ず企業分析レポートを書いている。そのレポートには会社名、事業内容、事業ポートフォリオ、財務諸表などを含め、企業価値の計算や将来利益の計算、受注している船舶についても詳細に記載する。それらを総合的に判断して、将来の株価を予測している。
Q. 株式投資に向いている人、向いていない人の特徴は?
株式投資に向いている人は20人に1人程度だと思う。頭が良い、白黒判断が上手いといった要素もあるが、何よりもオタク気質であることが重要だ。一つのことにのめり込み、集中的に取り組める人が強い。もちろん、株が好きということも大切だ。

逆に向いていない人は、物事を後回しにする人だ。調査を怠り、行動に移せない人は株式投資に向かない。特に問題なのは、真剣に取り組まない人ほど短期間で大きな利益を求める傾向があることだ。そうした人はTwitterなどで話題の銘柄に飛びつき、短期売買を繰り返して損失を出し続けることが多い。
Q. これまで読んだ投資本の中でおすすめは?
投資の本は300冊ほど読んできた。特に20代の頃は年間100冊程度読んでいた。最初に株を始めるきっかけになったのは「金持ち父さん、貧乏父さん」だ。この本は投資というよりも資本主義の本質について書かれており、個人と法人の違いや税制の優位性などについて学ぶことができた。
バリュー投資の本も特に読んでほしい。日本の個人投資家が書いた本、特に門山悟さんやしんさんの著書から多くを学んだ。これらの本を読むことで、仕事をしながら投資を続け、着実に資産を増やしていく道筋が見えてきた。
また、「かっぱさん」という方の「EBIへの道」も非常に良かった。EBIとはEvidence Based Investment(証拠に基づく投資)の略で、医学界のEBM(Evidence Based Medicine)にヒントを得た考え方だ。統計的に処理されたデータに基づいて、割安株投資が儲かることを論理的に説明している点が素晴らしい。
Q. 資産が増えた今の心境と、お金に対する考え方を教えてください
資産5億円の時と今とで、心境や生活は全く変わっていない。40代を超えると生活パターンを変えることはほとんどなく、淡々と同じことを続けている。ただ資産が増えただけだ。派手な生活をするわけでもなく、次の投資機会を常に探し続けている。
お金については、「あれば嬉しいもの」だが、今ではゲームのスコアのような感覚になっている。全て使い切ることはないだろうし、自分の存在意義として積み上げていきたいと思っている。
投資は戦略(投資そのもの)、戦術(バリュー投資)、戦闘(個々の売買)という三層構造になっている。バリュー投資を続けることが自分のライフスタイルであり、それを続ける過程で結果として資産が増えていくという感覚だ。
Q. 株式投資とはあなたにとって何ですか?
株式投資は習慣であり、体の一部のようなものだ。毎日お風呂に入ったり歯を磨いたりするのと同じで、株を見ることは日常の一部になっている。
以前、アベノミクス後にアイフルの株で大きな利益を得て仕事を辞めたことがあるが、その時に気づいたのは「暇すぎる」ということだった。ゲームや麻雀をして過ごしていたが、それは楽しくなかった。そういう経験から、現在は体調が悪くなっても週に2回ほど麻酔科医として働き続けている。
何かをやめてしまうことは寂しいし、自分の習慣として続けていることを失うのは辛い。株式投資も医師としての仕事も、自分にとっては欠かせない存在なのだ。