不動産 SKILL SET
戸建ては値下がる?/止まらないマンション高騰/不動産価格の今後は
(639)
1.4万回視聴
2025年6月19日

実家が大家業を営む三四郎・小宮が不動産をイチから学ぶ「不動産SkillSet」。第3回のテーマは「家の買い時」。前編では、不動産価格の今後を予想する。 <ゲスト> 三四郎 小宮浩信|実家が大家さん 沖有人|スタイルアクト代表取締役 https://www.sumai-surfin.com/ <目...
不動産価格はいつまで上がる?暴落リスクと注目すべき地域
不動産コンサルティング会社スタイルアクト代表取締役・沖有人氏によると、「これからが本当のバブルで、まだバブルとは言えるようなレベルではない」と現在の不動産市場を分析している。日本最大級の不動産ビッグデータを駆使した専門家の視点から、今後の不動産価格の動向、買い時、注目エリアについて解説する。

Q. 不動産価格の暴落はあるのですか?
暴落論者は10年以上前から暴落を予測していますが、一度も的中したことがありません。現在の不動産価格は今後も上昇すると考えられます。実際には、これからが本当のバブルで、まだバブルと呼べるレベルには至っていません。

皆さんは過去と比較して現在の価格が高いと感じるかもしれませんが、将来の状況から逆算すると、今の価格はむしろ安いと言えます。23区の新築マンションの平均価格は2年連続で1億円を超えていますが、これはまだ上昇の途中段階です。
Q. なぜ不動産価格は今後も上昇すると言えるのですか?
不動産価格上昇の根拠は主に3つあります。

1. 空き家問題は実質的に存在しない
空き家は増加していても、そのほとんどがデッドストック(市場に出回らない物件)です。例えば親が亡くなった実家を相続しても、約6割は物置として使われ、市場に出てくるのは1〜2割程度です。空き家があっても市場を荒らさないため、価格下落には繋がりません。
2. コロナ融資の返済状況は良好
コロナ禍で多くの融資が行われましたが、倒産や焦げ付きがあまり聞かれないのは、政府が借り換えや返済期間の延長を積極的に推進しているためです。約170万件の対応が行われ、企業の延命が図られています。
3. 金利上昇は心配不要
金利が0.1%上がると返済額は約1.8%増加しますが、資産価値の上昇率はそれを上回っています。例えば金利が1%上昇しても、資産が10%上昇していれば、実質的に9%の利益となります。
Q. 人口減少は不動産価格に影響しないのですか?
不動産価格に影響するのは人口ではなく世帯数です。現在、東京23区内では年間9〜10万世帯が増加していますが、新築住宅の供給は6万戸程度しかありません。そのため需給バランスは逼迫し、家賃や価格は上昇しています。
東京都の世帯数が減少し始めるのは、少なくとも2050年以降と予測されます。つまり、あと25年は世帯数が増え続ける状態です。単身世帯も増加傾向にあるため、需要は今後も維持されるでしょう。
Q. 不景気になると不動産価格は下がりませんか?
不動産価格は景気の良し悪しにはあまり関係なく、資金供給量に連動しています。不景気になると金融緩和などで資金供給が行われ、それが不動産市場に流れることで価格が上がります。
実際のデータを検証すると、景気と不動産価格には相関関係がほとんど見られず、資金供給量との相関係数は0.9758(1に近いほど完全な相関)となっています。つまり、資金供給量が増えれば不動産価格は上がり、現在も資金は流れ続けているため、2〜3年後の価格上昇はほぼ確実です。
Q. 外国人投資家の影響はありますか?
特に中国人投資家の影響は大きいです。彼らはローンを使わず現金で購入することが多く、需要側の予算が大幅に上昇しています。上海や北京のマンション価格と比較すると、東京のマンションは割安と捉えられているのです。
その結果、港区や湾岸エリアでは価格が急騰しています。この傾向は今後も続くと予想されます。もし外国人投資家が撤退した場合は価格下落の可能性もありますが、彼らは資産保全目的で購入しているため、よほどのことがない限り売却には至らないでしょう。
Q. 不動産価格はいつまで上昇し続けるのですか?
少なくとも3年は確実に上昇します。これは新築マンションの供給価格が3年後まで上昇することがすでに決まっているからです。さらに金融庁が規制強化などの対策を取るとしても、認識が生まれて制度変更するまでに2年程度かかるため、少なくとも5年程度は上昇が続くと考えられます。
Q. 上昇するエリアと下落するエリアはどこですか?
上昇するエリアは都心が中心です。特に千代田区、中央区、港区の都心三区では前年同月比で25%も価格が上昇しています。1億円の物件が1年後には1億2,500万円になるペースです。
23区内なら比較的安全で、23区外に出る場合は注意が必要です。具体的な目安としては:
埼玉なら浦和までが良い(大宮も可)
神奈川なら横浜駅周辺、みなとみらい、武蔵小杉が良い
東京都内なら中央線沿線は立川まで安全
千葉は千葉市まで
神奈川の東海道線沿いなら藤沢まで
マンションの価値はアクセスの良さで決まります。駅からのアクセスと都心までの所要時間が重要です。マンションが多く建っているエリアは市場性が高く、安全と言えます。
一方、下落リスクのあるエリアとしては、マンション取引が少ない地域や、戸建て志向が強い地域(例:名古屋)が挙げられます。奈良県などは地元の人がマンションをあまり購入しないため、売却時に苦労する可能性があります。
Q. 新築と中古、マンションと戸建てではどちらが良いですか?
新築と中古はどちらでも良いですが、現在は新築の方が中古よりも割高です。中古を購入しておけば、近くに新築が建設された際に価格が上昇する可能性があります。特にタワーマンションなどの建設予定を示す看板を見かけたら、その周辺の中古物件を購入すると良いでしょう。
マンションと戸建ての違いは、戸建ては建物部分の価値が経年で下がりやすいことです。戸建ての場合、木造建築は22年で税制上0円になるため、築年数が経過すると売却時に評価されにくくなります。一方、マンションは土地の持分があるため、比較的価値が維持されやすいです。
Q. 独身でも不動産は購入した方が良いですか?
独身でも購入することをお勧めします。結婚や子どもの数など、世帯構成は誰にも予測できません。また、結婚後に購入すると、万が一離婚した場合(日本の離婚率は約33%)に物件を売却しなければならなくなります。

その時に不動産価格が下落していると、ローンが返済できず売却もできないという状況に陥る可能性があります。そのため、ライフプランに関わらず早めに購入することも一つの選択肢です。
Q. 不動産投資で注目すべき地方都市はありますか?
東京以外では大阪と福岡が有望です。これらの都市は分譲マンションも賃貸物件も価格上昇が期待できます。
一方、名古屋は政令指定都市の中では最も難しい市場です。構造的に住居が崩れやすい地域があることや、マンションよりも戸建て志向が強いという特性があります。
まとめると、不動産価格は当面上昇を続け、特に都心部や交通アクセスの良い地域での投資が有望です。空き家問題や人口減少などを理由とした暴落論は現実的ではなく、少なくとも今後3〜5年は上昇傾向が続くと予測されます。