不動産 SKILL SET
贈与税がかからない方法/生前贈与がお得なケース/暦年贈与の落とし穴
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2025年6月3日

実家が大家業を営む三四郎・小宮が不動産をイチから学ぶ「不動産SkillSet」。第2回のテーマは「相続」。後編では、相続における節税対策を学ぶ。 <ゲスト> 三四郎 小宮浩信|実家が大家さん 棚田健大郎|行政書士 https://www.youtube.com/@fudousandaigaku
相続対策のプロが語る「絶対に知っておくべき相続の知恵」
相続は誰もが直面する問題だが、いざという時に備えて知識を身につけておくことが重要だ。相続税の専門家と不動産のプロに、相続に関する疑問や対策についてアドバイスをもらった。家族との話し合いのきっかけになる情報が満載だ。

Q. 相続物件を売却する際に注意すべきことは?
相続物件の売却には多くの場合、タイムリミットが存在する。相続税申告は相続開始から10ヶ月以内という期限があり、その間に手続きを完了させる必要がある。
この時間的制約があるため、不動産業者に「足元を見られる」リスクがある。相続が発生した物件は「売り急いでいる」と判断されがちで、通常より安い価格での取引を持ちかけられることが多い。
また、相続関係で揉めていたり手続きがスムーズに進まなかったりすると、一般の買主は待ってくれないため、不動産業者に買い取ってもらう形になり、さらに価格が下がりやすい。
このような事態を避けるためには、事前の準備が重要だ。もし将来的に相続物件を売却する可能性があるなら、あらかじめ相場を調査し、相続人間で共有しておくことが大切。「高すぎる」「安すぎる」といった漠然とした議論が長引くことを防げる。
Q. 相続対策はどの程度の財産から必要?
相続税には基礎控除があり、「3000万円+600万円×相続人の数」という計算式で求められる。この範囲内に相続財産が収まるなら、相続税は発生しない。
しかし、特に都市部で不動産を所有している場合は、この基礎控除を超える可能性が高い。その場合は税理士に相談することをお勧めする。また、控除額を超えるかどうか不明な場合も、専門家に相談すべきだ。

最も効果的なのは、税理士に依頼して「もし今相続が発生したらいくらの相続税が発生するか」を試算してもらうこと。これにより現状を把握し、必要な対策を講じることができる。
なお、相続税申告は通常の確定申告とは異なる複雑な計算が必要なため、相続税専門の税理士に相談することが望ましい。一般的な税務を扱う税理士では、相続税の経験が少ないケースもある。
Q. 生前贈与と相続、どちらが得なのか?
これは「永遠のテーマ」と言われる問題だ。生前贈与の税率は相続税より高いため、単純に税率だけで判断すると得ではない。
生前贈与の最大のメリットは、「将来の遺産をこれ以上増やさない」ことにある。例えば、収益物件であるアパートを親が所有している場合、10年間所有し続けると、その間の家賃収入が全て相続財産として加算される。

しかし、生前贈与でアパートを子に譲れば、そこから発生する家賃収入は子のものとなり、親の相続財産には含まれない。特に収益が発生する資産は、持ち続ければ資産が増え続けるため、早めに贈与するメリットがある。
また、親が認知症になってしまうと贈与ができなくなるリスクもあるため、元気なうちに計画的に行うことが重要だ。
Q. 毎年の少額贈与で注意すべき点は?
年間110万円までの贈与は基礎控除の範囲内で、贈与税がかからない。これを利用して毎年少額の贈与を繰り返す方法は一般的だが、注意点がある。
長期間にわたって同じ金額の贈与を続けると、税務署から「定期贈与」と見なされるリスクがある。例えば10年間にわたって毎年110万円を贈与すると、「1100万円の贈与を分割払いしている」と判断され、一括での贈与とみなされて贈与税が課される可能性がある。
これを防ぐには、贈与契約書を毎年作成して証拠を残すことが重要。さらに賢い方法としては、基礎控除をわずかに超える額(例えば120万円程度)を贈与し、少額でも贈与税を納めておくという手段もある。この場合、贈与税申告の記録が残るため、後から「定期贈与」と疑われるリスクを減らせる。
Q. 大家が亡くなった場合、家賃はどうなる?
アパートの大家が亡くなった場合、通常は管理会社が家賃を一時的に預かることになる。これは大家の口座が凍結されるためだが、この状況は大きなリスクをはらんでいる。
相続の遺産分割協議が長引くと、管理会社に多額の家賃が蓄積されることになる。しかし、その間に管理会社が倒産したり、最悪の場合は使い込みが発生したりする可能性もある。
このリスクを回避するためには、相続人の代表者の口座を指定するなど、管理会社に長期間資金を預けっぱなしにしない対策が必要。「信頼関係があるから大丈夫」という考えは危険だ。どんなに安定した会社でも倒産のリスクはあり、そうなれば資金の回収は困難になる。
Q. 価値のない不動産の相続はどうすべき?
売却しても利益が出ない、あるいは維持費の方がかかる不動産については、基本的には処分することが望ましい。特に土砂災害警戒区域の土地や、いわゆる「原野商法」で購入された土地などは、所有しているだけで固定資産税などの負担が生じる。
このような不動産は、所有者が生きている間に処分することがベスト。亡くなってからでは、物件の場所を特定するだけでも大変な労力がかかる。
また、一部の条件を満たす土地については、国に引き取ってもらえる制度(相続土地国庫帰属制度)もある。ただし、要件を満たす必要があるため、詳細は専門家に相談するべきだ。
地方の空き家も大きな問題となっている。放置すると隣家とのトラブルや不法侵入、火災リスクなどの問題が発生する可能性がある。実家などを相続する場合は、3000万円の特別控除が適用される特例もあるので、早めに対策を検討したい。
Q. 相続について家族と話し合うには?
相続について家族で話し合うことは非常に重要だが、「縁起が悪い」という理由で避けられがちだ。しかし、相続が発生してから対応するより、事前に話し合っておくことで揉め事を防げる。

相続される側(親)から積極的に話題を出すことが理想的だが、難しい場合は、相続に関する動画や記事を共有するなど、自然な形で話題を振ることも効果的。「自分たちが揉めないようにするため」という趣旨を伝えれば、理解してもらいやすい。
相続は避けて通れない問題であり、きっかけがないと話し合いが始まらないことが多い。この記事をきっかけに、ぜひ家族会議を開いてみてはいかがだろうか。