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”破壊主義者”はなぜ台頭するのか
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2025年5月5日

既存システムは破壊されてしまうのか?これまでの「エリート」に対抗するカウンターエリートが台頭する背景や今後の世界について、The HEADLINE石田健氏にインタビュー。 <ゲスト> 石田健|「The HEADLINE」編集長 1989年 東京都生まれ。早稲田大学大学院 政治学研究科修士課程(政治...
カウンターエリートの台頭:なぜメディアと政治の風景が変化しているのか
政治やメディアの世界で「カウンターエリート」と呼ばれる新たな勢力が影響力を増している。従来のエリート層に対抗する彼らの台頭は、世界中の政治風景を変えつつある。The HEADLINEの石田健氏に、この現象の背景と影響について詳しく聞いた。

Q: カウンターエリートとは何か、なぜ今注目すべきなのか?
カウンターエリートとは、既存のエリート層やエスタブリッシュメントに対抗する勢力を指します。彼らは従来の秩序や既得権益に挑戦し、それを変革しようとしています。
注目すべき理由は、彼らが世界的に影響力を拡大しているからです。アメリカではドナルド・トランプやJ.D.バンス、韓国では尹錫悦大統領、日本でも都知事選や兵庫県知事選で見られるように、従来のエリート層が築いてきた秩序に対する「破壊主義者」とも呼ばれる勢力が台頭しています。
彼らの特徴は単なる政治的立場(右派・左派)ではなく、既存秩序への対抗姿勢です。このカウンターエリートの台頭は、アメリカだけでなく世界中で同時多発的に起こっている現象です。

Q: カウンターエリートが台頭している理由は何か?
カウンターエリートが台頭している背景には主に3つの理由があります:
1. リベラルデモクラシーの機能不全:1960-70年代に経済成長とともに確立したリベラルデモクラシーの秩序が、中間層の衰退や再分配の失敗により支持を失っています。多くの人々が「何かがおかしい」と感じ始めています。
2. メディア環境の変化:テレビや新聞などの伝統的メディアからソーシャルメディアへの移行が起きています。さらに、ソーシャルメディアが「マス」になり、多くの人々に同時に届くようになりました。
3. 優れたストーリーテラーの出現:メディア環境の変化を理解し、効果的に活用できる人物が登場しています。彼らは強力なナラティブを構築し、大衆に直接訴えかけることができます。
特に注目すべきは、現代の技術が思想の拡散方法を根本的に変えた点です。
> "イエスキリストやマホメット、カール・マルクスなど、世界に重要な思想的インパクトを与えた人ですら、彼らの思想は弟子が書いているんです。もし当時YouTubeがあったら、すごいことになったと思います。あっという間にその熱意と身振り手振りとストーリーテリングが一気に世界中に広まって、それを何百万人が同時に見る。それは人類の歴史上初めてのことで、それを一気にやっているのがドナルド・トランプだったり、バンスだったりです。"
Q: ソーシャルメディアはどのようにカウンターエリートの台頭に寄与しているのか?
ソーシャルメディアは従来のメディアとは異なる特性を持っており、カウンターエリートの台頭に大きく寄与しています:
1. 直接性と即時性:政治家や思想家が中間媒体なしに大衆に直接語りかけることができます。副大統領という従来あまり注目されなかった役職のJ.D.バンスでさえ、ソーシャルメディアを通じて広く影響力を持っています。
2. パラソーシャル関係の構築:視聴者がインフルエンサーや政治家と擬似的な友人関係を感じる現象が生まれています。ポッドキャストなどでは、まるで友達のように耳元で直接話しかけてくるような親密さが生まれます。
3. コロナ禍の影響:外出制限中に多くの人がオンラインコンテンツに接する時間が増え、特定のインフルエンサーやコミュニティとの結びつきが強まりました。
これらの要素が相まって、従来のメディアでは届かなかった層にも強いメッセージを届けられるようになりました。それにより「何かがおかしい」「なぜ自分はこんなに苦しんでいるのか」という疑問に答えるナラティブを提供する人々の影響力が拡大しています。
Q: カウンターエリートの台頭は世界にどのような影響を与えるのか?
カウンターエリートの台頭による影響は多岐にわたります:
1. 国際秩序の再編:アメリカのトランプ政権では、80年間続いてきた国際秩序を書き換えようとする試みが行われています。関税政策などは単なる中国への対抗措置ではなく、理論武装された新たな世界観に基づいています。
2. 官僚制度の変革:アメリカでは国務省やUSAIDなどの組織再編が進められており、官僚制度の一部が変革されています。
3. 権威主義への傾斜:民主主義の度合いが低下し、より権威主義的な体制に近づく可能性があります。
特に重要なのは、トランプ個人ではなく、彼を支える40代前後の若い閣僚や理論家たちの存在です。彼らは次の10〜15年を見据えた世界観を持っており、この流れは一過性のものではない可能性があります。
日本においても、霞が関から若い人材が流出するなど、先進国共通の現象が加速する可能性があります。

Q: 私たちはこの変化にどう対応すべきか?
この変化に対応するためには、以下のような取り組みが必要です:
1. 政策研究やシンクタンクへの投資:日本は国際情勢の変化に対応するための知的基盤を強化する必要があります。サプライチェーンの分断リスクなど、将来的な課題に対する議論が不足しています。
2. 国際的な変化の理解:ESGや多様性などの概念は企業に浸透していますが、国際関係や政策変更が企業経営に与える影響についての理解は不十分です。
3. 継続的な学習と適応:政治や社会の変化、メディア環境の変化を理解し、それに適応することが個人や企業にとって重要になっています。
" ティールだったり、バンスだったり、あるいは日本で起こっているような政治、社会的な変化、メディアの変化など、議論をリードするナラティブを広めるような存在が変わっていっていることは間違いないと思っています。そこをいち早く捉えて、その変化から自分たちのキャリアや企業の戦略、経営の方向性を決めていくことは、100%重要になってくると思います。"
カウンターエリートの台頭は、単に特定の政治家や運動の成功にとどまらない、より大きな社会変化の表れです。この現象を理解することは、将来の政治・経済・社会構造を予測する上で不可欠となるでしょう。
