PIVOT TALK FOOTBALL
Jリーグの盛り上げ方。ライセンス不要なら、面白い監督が増える
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2025年1月12日

Jリーグ連覇を飾ったヴィッセル神戸。その背景にはどんな戦略とチーム・組織づくりがあったのか?Jリーグをさらに盛り上げるために、何がカギを握るのか?どうすれば面白いチームや監督が増えるのか?ヴィッセル神戸の永井秀樹スポーツダイレクターとレオザが語る。 <ゲスト> 永井秀樹|ヴィッセル神戸スポーツダイ...
Jリーグ発展の鍵は?永井秀樹氏とLeothefootballが語る日本サッカーの未来
サッカーの世界では選手、指導者、経営者などそれぞれの立場からJリーグの発展について様々な意見がある。ビッセル神戸の永井秀樹氏とLeothefootballことレオさんが語る日本サッカーの未来とは?データ活用から指導者育成まで、率直な意見交換から見えてくるJリーグの課題と可能性を探る。
Q. Jリーグをさらに発展させるために何が必要だと思いますか?
Leothefootballは、まず資金面の重要性を指摘している。優秀な人材はどうしても待遇の良い環境に集まる傾向があり、コーチ、指導者、スタッフ、フロントなど全ての面で優秀な人材を確保するには資金が必要だと述べている。優秀な人材が集まれば、広報活動やドキュメンタリー制作、データ活用など、クリエイティブな取り組みが可能になるという考えだ。
一方、永井秀樹氏は、アジアチャンピオンを日本のクラブが定期的に獲得し、FIFAクラブワールドカップで頂点を目指せるレベルになることが重要だと語る。また、若手選手の海外移籍についても言及し、有望な選手たちが適切な環境で成長できる仕組み作りの重要性を強調している。
Q. ヴィッセル神戸のデータ部門の活用法について教えてください
永井氏によれば、ヴィッセル神戸では楽天のデータ部門と連携し、数値データを効果的に活用している。「数字は嘘をつかない」という考えのもと、選手の評価や説得材料として活用しているという。特に選手獲得の場面では、データが決め手となるケースもあるようだ。
また、永井氏は現在の「ボール保持率」という指標に疑問を呈し、もっと本質的な「ゲーム支配率」という概念の数値化に興味を示している。単純にボールを持っている時間ではなく、試合全体をどれだけコントロールできているかを数値化できないかと考えているようだ。


Q. アストンヴィラとの提携によってどのような効果がありましたか?
永井氏は、アストンヴィラでの経験から、フィジカルトレーニングの重要性を学んだという。プレミアリーグでは、練習前に40分ほどのジムトレーニングを行い、週に3〜4回は追加のトレーニングをしているのに対し、Jリーグではフィジカル面にかける時間が少ないと指摘している。
また、セットプレイコーチの存在も大きな効果をもたらしたという。アストンヴィラでは1週間に4セッション以上セットプレイの練習を行うのに対し、Jリーグでは試合前日に10〜15分程度しか行わないことが多いとのこと。専門性を持ったコーチの重要性を強調している。

Q. 日本人指導者の未来のために、指導者ライセンス制度をどう考えますか?
永井氏は個人的な意見として、現行のライセンス制度はなくてもいいのではないかと述べている。世界的に見ると、サッカー経験がほとんどない人でもトップレベルの監督になれる事例があるのに、日本の現行制度ではそれが難しいと指摘。学ぶ機会としてのライセンス講習は価値があるとしつつも、「これがなければできない」という制度に違和感を感じているという。
Leothefootballも基本的に同意し、自由競争の方が良いという考えを示している。ただし、国際サッカー連盟(FIFA)やアジアサッカー連盟(AFC)との関係上、完全に制度を廃止することは現実的ではないとも指摘。その上で、運転免許制度のように取得しやすくし、むしろ登録費や維持費で収入を得るビジネスモデルへの転換を提案している。
Q. 日本からもっと面白い監督を輩出するには何が必要ですか?
両者とも、現状では制度の壁があることを認めつつ、「面白い監督を周りが仕立てる」ことの重要性で一致している。Leothefootballは、サッカー界の「村社会」的な側面が、外部からの面白い人材の参入を妨げていると指摘。高校サッカー出身の黒田剛監督のような例は稀だとしている。
永井氏は、指導者を抜擢する側の責任と、抜擢した人材をどう守り立てるかが重要だと述べている。また、メディアの役割も大きいと指摘し、新しい視点や取り組みを評価する文化の醸成が必要だと語っている。

Q. スポーツダイレクター(SD)の役割について日本の現状をどう見ていますか?
永井氏は、日本ではGM(ゼネラルマネージャー)やSD(スポーツダイレクター)と強化部長の線引きがはっきりしていないことを問題視している。強化部長が単に「チームを強くするためにお金を使う」だけでは経営が成り立たない。理想的なSDは、中長期的な視点を持ちながら、チームの強化と経営のバランスを取れる人材だと説明している。
Leothefootballは、SDの役割の一つとして、補強戦略や選手移籍などの「人事」に関する情報をファンに適切に伝えることの重要性を指摘。具体的な事例として、自身のチームで獲得を目指していた選手が他クラブに移籍した経験を共有し、そうした情報をYouTubeなどで公開することで多くのファンの関心を集めたという。
Q. 若手選手の海外移籍についてどう考えますか?
永井氏は、若手選手の海外志向は自然なことだとしつつも、Jリーグ側の立場からは課題もあると指摘している。有望な選手が海外に出ていくことで、リーグの魅力が低下する可能性があるためだ。
その対策として、ビッセル神戸では海外クラブとの提携を進めている。アストンヴィラやシアトル・サウンダースFC、ザグレブ・ディナモなど複数のクラブと提携し、選手のキャリアパスを構築している。具体的には、ユース出身の選手を海外クラブに送り出す計画も進行中だという。このように、Jクラブを経由して海外に行くルートを作り、選手が帰国した際にもJリーグの価値を高める循環を目指している。