TIME IS
やっていけない8つの資産運用/金融機関にカモられるな【西崎 努】
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2024年12月27日

多忙なビジネスパーソンへ、圧倒的な成果を上げている著名人が時間術のヒントを提供する「TIME IS」。今回は、シニア投資コンサルタントの西崎努さんに「やってはいけない資産運用」を聞く。 <ゲスト> 西崎 努 シニア投資コンサルタント <参考書籍> 『やってはいけない資産運用』 https://a...
「知らない間にやらなくていい投資ばかりやっている」シニア世代が要注意の資産運用とは?
老後資金を守るために知っておきたい金融商品の落とし穴。「金融機関の担当者は運用のプロではなく販売のプロ」だと語るのは、シニア投資コンサルタントの西崎努氏。シニア世代に提案される金融商品の9割は「実際には必要ない、または運用効率が悪い」という衝撃の指摘。この記事では、シニア世代とその子ども世代が知っておくべき資産運用の心得を紹介する。

Q. シニア世代はなぜ金融トラブルに巻き込まれやすいのですか?
シニア世代は資産を持っているため、金融機関にとって潜在顧客として見られています。特に投資や資産運用に慣れていない高齢者が多いことから、金融機関はこの層をターゲットにしています。
金融トラブルが多い理由は主に3つあります。まず、金融商品やサービスの仕組みが年々複雑になっており、購入後の状況把握や売却判断が難しくなっています。次に、顧客側の知識不足と準備不足があります。販売する側は日頃からこれらの商品やサービスに向き合っていますが、顧客との間には大きな知識のギャップがあります。
最後に重要なのは、金融機関の担当者は多くの人が思い込むような「運用のプロ」ではなく、「販売のプロ」だということです。彼らの主な仕事は商品を販売することであり、支店にいる人の大部分はセールスとして働いています。
Q. 金融機関に信頼できる担当者はいますか?見分け方はありますか?
信頼できる担当者は確かに存在します。単なる商品説明だけでなく、金融知識や投資への考え方を教えてくれる担当者は価値があります。
資産運用だけを考えるのではなく、ライフプランや家計の収支、場合によっては相続なども含めて総合的に資産を考えてくれる担当者を選ぶことが重要です。何が良い商品かは人によって異なるため、自分や家計を中心に考えて一緒に検討してくれる人を見つけましょう。
ただし、金融機関によっては定期的な担当者の異動があるため、長期的に同じ担当者がつき続けるかという問題はあります。

Q. シニア世代と若者の資産作りはどう違いますか?
若い世代は「資産形成」、シニア世代は「資産の運用や管理」という違いがあります。若い世代の資産形成はNISAなどを活用して積立投資でまとまった資産を作ることが目的です。
一方、シニア世代の資産運用・管理は、既にある資産を活かして収入を得たり、将来の資産や相続に備えて管理することが中心になります。投資アドバイザーがついている顧客の資産は平均的に数千万円からが基準になっており、まだ資産形成段階の人はアドバイザーをつける必要性は低いと考えられています。
Q. シニア世代が資産運用をする際に注意すべきことは何ですか?
まとまった資産があると、運用の選択肢も豊富になります。余裕資金が多いほど、不動産会社や様々な投資先、節税対策など多くの提案を受けることになります。その中で自分にとって何が良いかを適切に判断するためには、投資知識や経験を身につける必要があります。
多くのシニア世代は安定運用を求めていますが、リスクのある投資を「長期運用すれば大丈夫」と勘違いしている人も少なくありません。資金額やライフプランを考慮して、適切な投資をいつまで継続するかも考える必要があります。
金融機関は見た目で魅力的な商品を多く出していますが、実際の運用はシンプルで分かりやすく、手間がかからないものが理想的です。投資の費用に関しては、自分が納得できる範囲であれば問題ありませんが、明らかに高すぎる場合は注意が必要です。
Q. 不要な金融商品や金融サービスを見抜く方法はありますか?
以下の5つのポイントに注意することで、不要な金融商品やサービスを見抜くことができます。
1. リスクや失敗の可能性について説明しない担当者には注意が必要です。リターンが高いことは誰でも分かりますが、価格変動や損失の可能性についてしっかり説明してくれるかどうかが重要です。
2. 過去の実績が良かったからといって、将来も同様の結果が続くと提案してくる場合は要注意です。過去の結果は必ずしも将来に継続するわけではありません。
3. 仕組みが複雑で何度聞いても理解できない商品は避けるべきです。買う時や売る時の判断ができなければ、その商品をどう扱えば良いか分からなくなります。
4. ライフプランや将来の資金計画を考慮せずに商品提案をされる場合は注意した方が良いです。どんな人にとってどんな商品が良いかは、その人のライフプランや資産計画によって大きく変わります。
5. コストの説明が不十分な商品にも注意が必要です。
Q. やってはいけない資産運用にはどのようなものがありますか?
西崎氏が挙げる「やってはいけない資産運用」は以下の8つです。
1. ファンドラップ: 投資信託のパッケージを提供し、配分やリバランスを調整してくれるサービスですが、コストが高くコストパフォーマンスが悪いことが金融庁のレポートでも指摘されています。
2. テーマ型の投資信託: 半導体やAI、自動運転など魅力的なテーマに惹かれて中身を吟味せずに投資するケースが多いです。流行りが落ち着いてから商品化されることも多く、投資タイミングとして最適ではない場合があります。
3. 複雑な仕組みの投資信託: M&Aなど様々な投資先を組み入れた投資信託は、投資方法が複雑で理解が難しいことがあります。特に投資先が見えないと売買判断が困難になります。
4. 毎月分配型の投資信託: 毎月分配金が振り込まれるため高齢者に人気ですが、分配金が全て利益ではなく元本の取り崩しである場合も多いです。利益と勘違いしたり、生活費の一部になると止められなくなるケースもあります。
5. レバレッジ指数のETFや投資信託: リスクが非常に高く、「ハイリスク・ハイリターン」以上のリスクがあります。安定運用を望む多くの人には必要ないでしょう。
6. 新興国の通貨取引: 成長性はあるかもしれませんが、金融市場が弱く、政治的要因による予測不能な動きも多いです。基本的には日本円を軸に、世界の基軸通貨である米ドルとの組み合わせで十分です。
7. EB債(株価指数連動債): 株価に連動して条件が変わる複雑な債権ですが、多くの金融機関では販売停止か一部の人のみに限定されています。リスクに見合うリターンが少なく、理解せずに購入してしまうケースが多いことが問題となっています。
8. 優遇金利キャンペーン: 特定の商品をセットで購入すると金利が上がるようなキャンペーンは、金融機関が損をすることはないため、キャンペーンだけを理由に投資するのは間違いです。投資する商品自体をしっかり確認することが大切です。
Q. シニア世代を親に持つ子供世代は、親が老後資金を金融機関に搾取されないために何をすべきですか?
可能であれば、金融機関との面談に同席することが最も効果的です。距離的な問題や親が子供に話を聞かれたくないという理由で難しい場合もありますが、家族が同席していると金融機関側もより慎重に対応する傾向があります。
同席が難しい場合は、お金や投資について一緒に考える機会を作ることが大切です。親と投資について話す機会は普段あまりないかもしれませんが、実際に話してみると親なりの考えがあることが分かるでしょう。
ただし、自分と親ではお金や投資への向き合い方や必要なことが異なる可能性があります。「自分はこうするべきだから親もこうするべき」と考えるのではなく、親の考えを尊重することが重要です。

Q. 資産運用に悩んでいるシニア世代へのアドバイスをお願いします
運用を急ぐ必要はありません。疑問に思うことや分からないことは、納得するまでしっかり確認することが大切です。商品を購入した後でも新たな質問が出てくるものですが、少しずつ確認しながら進めていくことが重要です。任せきりにするのは良くなく、担当者との間でコミュニケーションをしっかり取ることが必要です。
担当者がいない場合は、自分で納得するまで調べることが大切です。運用でリターンを得るためには何らかのリスク(商品価格の変動)と向き合う必要がありますが、多くの人は運用した方が良いとしても、焦って始める必要はありません。