Pivotter
辞めPIVOT→TBS特任執行役員
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2024年11月1日

大企業を辞めてキャリアをPIVOT(方向転換)した“Pivotter”たちへの本音のインタビュー番組。 辞めた企業の前からスタートして、今のオフィスまでをめぐりながら、退職・転職・起業のリアルな実態を聞く。 <ゲスト> 竹下隆一郎(PIVOT→TBS 特任執行役員) <目次> 00:00 ダイジ...
「日本の声を世界に届けるために」- 竹下隆一郎が語るキャリアとTBSへの転身
Pivotを退社しTBSへの転身を決めた竹下隆一郎氏。グローバルでの日本の存在感を高めるための挑戦と、これまでのキャリアを振り返ります。

Q. Pivotを辞める理由は何ですか?
グローバルで勝負したいと考えるようになりました。日本をもっと強く、魅力的にしたいという思いがあります。特に、日本が世界でもっと大きな声を出せるようにしたいのです。日本の声を世界に届けたいという思いが強くなりました。
最近イスラエルに行ってきましたが、現地で感じたのは日本の声が聞こえないという現実です。国際的な会議でも日本が発言しないため、存在感が薄い状況が続いています。会社の会議で一言も発言しない人がいるようなものです。この状況を変えたいという強い思いがあります。
台湾にも行きましたが、そこでも「I can't hear your voice(日本の声が聞こえない)」と言われました。この言葉を聞いて、愛国心と正義感が湧いてきて、この状況を変えたいと強く思うようになりました。
Q. Pivotではその思いを実現できないのですか?
Pivotでも佐々木さんなどチャンスをくれましたし、これから会社がグローバル化すれば実現できるでしょう。しかし、私は現在44歳であり、1日も無駄にしたくありません。朝起きてから寝るまで、全てグローバルのことを考えたいのです。
Pivotが嫌いになったわけではなく、残された人生を考えた時に、1秒でもグローバル化について考える時間を大切にしたいという思いが強くなりました。
Q. 次はどこで何をするのですか?
TBSに行き、特任執行役員としてブルームバーグとTBSの戦略的パートナー事業を進める役割を担います。自分でコンテンツを作ったり、MCとして出演したりすることもあるでしょう。ブルームバーグとの交渉や、ブルームバーグのコンテンツを日本に持ってくる仕事、また両社が連携して今までにないタイプのコンテンツを作る仕事をします。
将来的には、日本のコンテンツを世界に発信していきたいと考えています。例えば、アルジャジーラのような日本発の国際メディアを作ることも視野に入れています。
Q. 佐々木さんに退社の話をした時の反応はどうでしたか?
かなり驚いていました。ある夜、かき氷屋さんで会って話をしました。通常このような話は居酒屋やコーヒーショップ、会議室などでするものですが、かき氷を食べながらの話になりました。佐々木さんはかき氷を食べすぎて寒くなり、「寒い寒い」と言っていたのが印象的でした。
なお、噂されているような佐々木さんとの喧嘩は全くありません。関係はとても良好です。これだけは皆さんに伝えたいです。
Q. 竹下さんのキャリアについて教えてください
私のキャリアは3つの軸で考えることができます。縦軸は個人の幸福度、横軸は時間の経過、そして3次元の軸は社会へのインパクトです。個人の幸福だけでなく、社会へのインパクトも重視しています。
幼少期は日本で生まれてすぐにアメリカに移りました。3歳の頃、アメリカで唯一の日本人として差別を経験し、英語もわからない状況で苦労しました。自分の髪の毛が黒いことを理由に泣いたこともあります。
中学生の頃、母が42歳で癌で亡くなりました。最期に「日本に帰って塩むすびが食べたい」と言ったことが今でも記憶に残っています。この経験から、人生は何が起きるかわからないこと、体が動けるうちに自分の人生を何に使うかをしっかり考えなければならないということを学びました。
日本に帰国後、朝日新聞に入社しました。ジャーナリストになりたかったという思いがあり、2000年代にはデジタル化に全力を注ぐだろうと期待していましたが、思ったよりもデジタルシフトが進まなかったことに失望しました。
その後、ハフィントンポストに移り、ジェンダーやダイバーシティなど、それまでの日本のメディアでは十分に取り上げられていなかったテーマに取り組む機会を得ました。自分の幸福度が上がり、社会へのインパクトも大きくなったと感じています。
そしてPivotへと移り、さらにキャリアを発展させてきました。今回のTBSへの転職も、この延長線上にあります。
Q. キャリア選びの軸は何ですか?
私は自分の職業を「アントレプレナー・ジャーナリスト(起業家的ジャーナリスト)」と定義しています。既存のメディアで発信するのではなく、自分で発信の場を作るという点にこだわっています。
Pivotやピンクペアという場を自ら作ったり、英語コンテンツの番組を作って発信したりするなど、新しい場を創造することを重視しています。TBSでもブルームバーグという海外メディアと新しい発信の場を作る予定です。
キャリアを考える際に重要なのは、自分の仕事を抽象化して考えることです。例えば資格や職種ではなく、自分が仕事相手と接する時にどのような動き方をしているかを考えることが大切です。私の場合、インタビュー相手と接する時に「共感する」ことが得意だと気づきました。このように自分の仕事を抽象化して考えると、活躍できる場がたくさんあることがわかります。
Q. TBSとブルームバーグのパートナーシップで何を実現したいですか?
新しいメディアを作っていきたいと考えています。ブルームバーグの世界最先端の経済・金融情報を日本に分かりやすく紹介すると同時に、TBSのコンテンツ力、取材力、番組制作力を組み合わせて、世界の情報と日本の情報が同時に見られるプラットフォームを目指します。
現在、海外で議論されているグローバルアジェンダと日本の議論にはズレがあり、メディアギャップが生じています。このギャップを埋めていきたいと考えています。
日本のアジェンダを世界のアジェンダとして考え、世界の問題を自分の問題として捉える新しい考え方を持った経済人を増やしたいです。アメリカを代表するブルームバーグと日本を代表するTBSがタッグを組むことで、日米のメディアの総力を結集した場になると思います。
メディアの形態はテレビか新メディアかという区別よりも、日米の英知を結集する場所にしたいです。ブルームバーグの持つネットワークや金融情報と、日本ならではの問題意識や経済、スタートアップ、技術を組み合わせることで、化学反応を起こすようなメディアを目指します。
Q. メディア業界の未来をどう見ていますか?
メディア業界には、公共性とビジネスのバランスという難しい課題があります。資本主義との折り合いをつけながらも公共性を守るというチャレンジに挑戦していきたいと考えています。
日本のメディア空間をより豊かにするためには、映像で語れる人材を増やすことが重要です。知識や教養、ネットワークを持ち、国際的な視点を持った人材が増えることで、メディアが憧れの仕事になると思います。
将来的には、100人のスターMCを増やし、サッカー選手のように国内外で活躍する「日本代表」のような存在を育てていきたいです。メディア業界がより魅力的になり、次世代が憧れる職業になることを目指しています。