PIVOT TALK BUSINESS
根回しと決済の日本企業 世界から尊敬されている
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2024年8月27日

35年前のリクルートに入社した米国人で、現在は日本で事業を展開するルース・マリー・ジャーマン氏。知日派外国人ビジネスパーソンが見る日本経済の今後とは。
異文化専門家が語る日本のビジネスと「空気」の価値
ジャーマン・インターナショナル代表取締役社長のルース・マリー・ジャーマン氏が、日本のビジネスの特徴や外国人との協働について語った。日本独自のビジネススタイルの魅力と課題、そして「空気を読む」という日本特有のコミュニケーション様式について興味深い視点を提供している。
Q. 日本のビジネスは外国人と一緒に働く準備ができていますか?
日本的なビジネススタイルは世界が必要としているものです。慎重に物事を考え、コンセンサスを大事にし、少しずつ決定していく方法は素晴らしいやり方です。ただし、これからはもう少しスピーディーなハイブリッド型の対応と、なぜ時間がかかっているのかを相手に納得できるように説明する必要があります。経験上、きちんと説明すれば外国人は「それはいい方法だね」と理解してくれます。
Q. 海外と比べて日本人は遅いという批判について、どう思いますか?
私は社外取締役として多くの外資系企業で働く人と接していますが、みなさん「スピードアップ」を求めます。しかし、日本ならではの適切なスピードもあると思います。重要なのは日本のスピードと外国人が求めるスピードの接点を見つけることです。
例えば、日本では人を簡単に解雇できないため、採用に時間をかけます。一般社員でも慎重に選び、長期的な視点で面接します。こうした背景を外国人に説明すると「それはいいね」と理解してくれるのです。
Q. 外国人とのコミュニケーションで日本人がよく言う「日本では...」という表現について、どう思いますか?
「日本ではこうだからしょうがない」や「日本人はね...」といった言い方は避けるべきです。なぜなら、それは説明を放棄し、相手をシャットアウトしているように聞こえてしまうからです。
難しくても面倒でも、きちんと言葉を尽くして説明する時代になっています。また、「日本人は恥ずかしがり屋」などと一般化するのも問題です。日本人も変わってきていて、様々なタイプの日本人がいます。そのような固定概念を捨て、日本人自身がもっとオープンマインドになることが大切です。
Q. バブル時代の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代と今の日本、どちらが好きですか?
今の日本の方が面白いです。当時の日本は数字の上では「ジャパン・ナンバーワン」だったかもしれませんが、これからは本質的な面白さが重要です。ナンバーワンになる必要はなく、「オンリーワン」になればいいのです。日本でしかできないこと、日本でしか考えられないこと、日本特有のプロセスなど、日本独自の価値を発信していくべきです。
日本の精神性、チームワークの良さ、エネルギーといったものを世界に発信していきたいと思います。
Q. 日本に長く滞在している外国人としての視点を教えてください。
一般的に外国人は「いずれ母国に帰る」と思われがちですが、そうとは限りません。私の周りには長期滞在の外国人がたくさんいます。最近では「Retire in Japan」というFacebookグループがあり、メンバー数が増え続けています。最初見たときは500人程度でしたが、最近は1900人ほどになっています。
これからは介護施設で働く外国人だけでなく、介護施設に入居する外国人も増えていくでしょう。本質的なグローバル化の時代において、日本人と外国人の区別なく、日本の素晴らしさを守りながら、あまり妥協せず日本的な良さを大切にしていくことが、これからの課題です。
Q. なぜ日本が好きなのですか?
私はハワイ出身ですが、ハワイの人は日本とのつながりが強いと思います。食べ物も好きですが、個人的には日本的な常識が好きです。人を先に思うところ、空気を読むこと、人の本当の気持ちを読み取ろうとするところ、コンセンサスを大切にすること、そして感謝の心を持っていることなど、そういうところがとても好きです。
日本人は高いレベルで空気を読めるので疲れるかもしれませんが、私はKY(空気が読めない)人間なので、空気があること自体が面白いです。それが分かってくると日本人のコミュニケーションスタイルが面白くなります。
例えば「2次会どこに行こうか」という話になったとき、アメリカ人なら「この前行ったところがよかったのでもう一度行きませんか」と必ず提案する人がいますが、日本人の空気の読み合いはとても興味深いです。
Q. 「空気を読む」という概念は英語ではどう表現するのですか?
英語では「Read the air」や「Read between the lines」と言いますが、日本の「空気を読む」という概念はもっと複雑です。日本人のコミュニケーションスタイルは、テーブルの真ん中にコメントを置き、相手がそれを拾って少し追加し、また置くというやり方です。一方、アメリカは「私の意見を言い、あなたがそれに対して意見を言う」というデベート的なやり方です。
日本的なグループコミュニケーションは「空気を読む」「阿吽の呼吸」のようなものです。これは外国人にとって理解しにくく、説明しても「本当?」と信じてもらえないことがあります。「OK」と言っても本当はOKではないという日本的なコミュニケーションは、今のビジネスでも難しい部分です。
Q. 日本人へのメッセージをお願いします。
まず自信を持ってほしいです。日本的なやり方は素晴らしく、世界の人たちが注目して学ぼうとしています。堂々と日本的なものを大切にしてください。ただし、それを維持するためには説明が必要です。言語化して自分たちの考え方やスタイルを伝え、大切にしていってほしいと思います。