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人に寄り添うAIでイノベーションを加速
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2023年10月29日

Video Podcast番組「PIVOT SESSION」。 シャープ 常務執行役員CTO 兼 R&D担当 種谷元隆氏に「日本の技術はゲームチェンジできるのか」について話を聞きました。 【SPONSORED】 <ゲスト> 種谷元隆/シャープ 常務執行役員CTO 兼 R&D担当 京都大学大学院(修...
シャープが描くAIの未来像とは?大企業を「ゲームチェンジャー」に変える『エッジAI』と『共創』戦略
日本を代表する老舗大企業であるシャープが、AI時代の波を「ゲームチェンジャー」となる機会と捉え、独自の戦略を展開している。急速な技術進化とグローバル競争が激化する現代において、同社はいかにして次世代を切り拓こうとしているのか。常務執行役員CTO兼R&D担当である種谷元高氏へのインタビューを通じて、シャープが目指す未来のテクノロジーとビジネスのあり方を深掘りする。
Q. 今後のテクノロジー領域において、シャープが特に注目するトレンドは何だろうか?
未来のテクノロジーの主要な柱は、変化の激しい「AI」と、普遍的な価値を持つ「カーボンニュートラル」の二つであると種谷氏は指摘する。シャープは太陽電池事業で数十年の経験を有しており、両分野において社会へ貢献する機会を多く持つと考える。
さらにXR、ロボティクス、6Gといった技術も重要視する。これらは独立した技術ではなく、AIを現実世界で具現化するための「出口」あるいは「インターフェース」の役割を担うものであり、全てが広範な「AIワールド」の一部と捉えている。シャープが家電を通じて長年培ってきた「人との接点」は、AI時代においても大きな強みとなると予想する。数百万台に及ぶWi-Fi接続家電から得られる顧客理解を活かし、ユーザーに寄り添った価値提供を目指す姿勢が窺える。
Q. 巨大テック企業がクラウドAIで優位に立つ中で、シャープはどのようなAI戦略を展開するのか?
海外の巨大IT企業が開発するクラウドAIを人間の「大脳」とすると、シャープが目指すのは「エッジAI」であり、人間の五感や反射神経を司る「大脳辺縁系」に相当する。クラウドAIが膨大な情報から最適解を導き出すのに対し、シャープは家電やデバイスを介してリアルタイムで人間に密着し、クイックな応答が可能な『身近なAI』を提供することで独自の価値を創出する。現在のAIとの文字によるやり取りは不自然であり、エッジAIが目や耳、口といったインターフェースとして機能することで、より自然な会話や体験が実現すると展望する。
シャープは、このエッジAIがクラウドAIと連携することで、全体として人間のように五感を持ち、思考し、行動するAIワールドを形成すると考えている。AIの入口や出口となる多種多様なデバイスを通じて、人々がAIとより自然で豊かな関係を築ける世界を目指しているのである。
Q. 名だたるグローバル企業との競争に勝つための具体的な戦略は何だろうか?
種谷氏は、MicrosoftやGoogleのような巨大テック企業との直接的な競合は避け、「自社の強み」を最大限に活かす戦略を語る。これらの企業がクラウドからハードウェアへアプローチするのに対し、シャープはハードウェアと顧客接点を起点とし、クラウドと連携する「逆張り戦略」で勝機を見出す。相手の得意領域には踏み込まず、自社の「ボーダーライン」を見極めることが勝利への鍵となる。
また、グローバル競争においては「スピード」が極めて重要だと強調する。日本の製造業は品質の高さゆえに慎重になりがちだが、台湾の鴻海(ホンハイ)グループとの協業を通じて、このスピード感の重要性を痛感したという。優れた技術や製品も市場への投入が遅れればその価値を損なうため、質を保ちつついかに早く価値を提供できるかが今後の課題だと述べている。
Q. スタートアップとの協業や創業時の精神は、現在のシャープにどう影響しているのか?
シャープはスタートアップとのオープンイノベーションを積極的に推進している。Wi-Fi接続家電といったプラットフォームをシャープの強みと捉えるスタートアップは多く、自社だけでは生まれ得ないアイデアとの協業を通じて新たな事業の創出を目指す。種谷氏は、リスクを恐れずに事業を興すスタートアップ経営者の「肝が据わった」姿勢に尊敬の念を抱いていると語った。創業者の「真似されるものを作れ」という言葉は、他社が追随するほどの革新的な製品を生み出すことの重要性を示す。シャープペンシルが海外での成功を経て日本に逆輸入された歴史にも通じるとし、信じるビジョンを諦めずに挑戦し続ける姿勢が現代にも息づいている。今後のシャープは、「人とのつながり」という強みを日本のみならずグローバルへと拡大し、ユーザーの共感を呼ぶ製品やサービスを提供していく展望だ。
Q. 創業111周年イベント「SHARP Tech-Day」は、どのような内容で何を目指しているのか?
シャープは創業111周年にちなんで、「1」が並ぶ日付である11月10日〜12日に、未来のテクノロジーを体感できる「SHARP Tech-Day」を初めて開催する。これは単なる商品展示ではなく、3年から5年先の製品を生み出すための「テクノロジー」を「体験型」で紹介する未来志向のイベントである。
特に注目すべきは、AIに人間の五感を与える技術の展示だ。例えば、液晶技術を応用した匂いセンサーで、AIが「嗅覚」を持つことで、これまでの脳(クラウドAI)だけでは得られなかった、より豊かな経験と知見を獲得する。これはAIをより人間らしいパートナーへと進化させ、エッジAIの重要性を訴える展示だ。同イベントでは「テレビを再発明する」をテーマとしたハッカソンも開催し、シャープのテレビをプラットフォームとしてスタートアップや技術者と共に次世代ディスプレイの新たな価値を創造する。シャープは本イベントを通じて、変わろうとする自社の姿を示し、新たなパートナーとの出会いを期待していると述べた。