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OpenAIはなぜOktaを選んだのか?
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2023年7月10日

Video Podcast番組「PIVOT SESSION」。 Okta CEO兼共同創業者 トッド・マッキノン氏と「パスワードのない世界の構想」について話しました。 【sponsored】 <ゲスト> トッド・マッキノン/Okta CEO兼共同創業者 Oktaを創業する前は、Salesforce...
激動の時代を乗り越える力 Okta CEOが語る起業、認証、AIの未来
最新テクノロジーの波に乗り、ビジネスのあり方が急速に変化する現代。数多のスタートアップが生まれる中で、Oktaはアイデンティティ管理サービスとして確固たる地位を築いた。
世界最大級のスタートアップとして成功を収めたOkta共同創業者兼CEOのトッド・マッキノン氏に、激動の時代における起業の裏側を問うた。
未来の認証技術、そして日本市場への展望について話を聞き、変革期を生き抜くための実践的な知恵を探る。
Q. 金融危機下の逆境で、いかにしてOktaを立ち上げたか?
2009年、リーマンショック直後の経済情勢は極めて厳しかった。しかしマッキノン氏は、そこにクラウドコンピューティングへの大きな技術転換の機会を見出したのだ。
Salesforceでの経験から、当時の企業が自社サーバーで運用するソフトウェアからクラウドサービスへの移行は不可逆的な大きなトレンドだと確信したという。
この巨大な変化の中で、あらゆるものがクラウド化する新しいITインフラの需要が高まると読み、起業を決意した。
起業の最大のハードルは、安定したSalesforceでの職を辞めることへの妻の反対だったと明かす。
「あなたはクレイジーだ」という妻に対し、マッキノン氏は「なぜ私はクレイジーではないのか」と題したPowerPointプレゼンテーションを作成。事業の可能性と、万一失敗した場合の代替案(ダウンサイド)を論理的に提示し、説得に成功したと語る。
Q. 起業成功において、最も重要な要素とは何か?
多くの人々が起業を夢見るが、最も重要なのは「実際にやってみること」だとマッキノン氏は断言する。挑戦しなければ、成功の可能性はゼロのままだという。
成功には二つの軸がある。一つは「強力な技術トレンド」を慎重に見極め、そこに集中すること。Oktaにとってクラウドがそれにあたり、その大きな方向性は一貫して守るべきだ。
もう一つは「短期的な戦術は柔軟に変えること」だ。当初のプロダクトアイデアに固執せず、顧客との対話を通じてアイデンティティ管理へと焦点を移したOktaのように、市場の反応に合わせてピボットする柔軟性が求められる。
起業に「完璧なタイミング」は存在しないと彼は分析する。経済状況は常に変化するが、技術トレンドの洞察、優れたチーム、実行力、そして運といった複合的な要素が最終的な成功を左右するだろう。
Q. Oktaが目指すパスワードレスの世界とはどのようなものか?
Oktaが描く「パスワードのない世界」は、職場環境と一般消費者向けサービスで進捗が異なる。
職場においては、パスワードレスはすでに実現可能だ。OktaのWorkforce Identity Cloudは、生体認証と7000以上のアプリケーションを連携させ、従業員がパスワードなしで安全に業務を開始できる環境を企業に提供する。これは利便性向上だけでなく、企業のセキュリティも大幅に強化するものだ。
一方、消費者向けサービスでのパスワードレス化にはもう少し時間を要する。無数のウェブサイトやアプリが乱立しているためだが、「WebAuthn」や「FIDO」といった技術標準が急速に普及中である。Apple、Google、Microsoftも「パスキー」を導入するなど、業界全体で標準化に向けた動きが加速している。
パスワードが長年使われてきた理由は、技術的優位性ではなく、「どんなデバイスやサイトでも機能する共通手段」だったからにすぎないと彼は指摘する。この互換性が、セキュリティとユーザー体験の低下を招いてきたのだ。
Oktaは中立的なIDプラットフォームとして、特定のテクノロジーに縛られることなく、誰もがあらゆるサービスを安全かつ自由に利用できる世界を目指している。
Q. AI時代においてアイデンティティ管理はどのような役割を果たすか?
OpenAIがChatGPTのログイン認証にOktaを採用したのは、開発者体験が優れていたためだ。煩雑なID管理をOktaに任せることで、AI開発の核心業務に集中できたとマッキノン氏は分析する。
生成AIのブレークスルーは、①アルゴリズムの進化、②計算能力の飛躍的向上、③膨大なインターネットデータ、という3要素の融合が生んだ「本物かつ深遠な技術的飛躍」だと述べる。
AIが高度化し、人間と区別しにくいボットが出現すると、「本物の人間か」という実在証明が極めて重要になるだろう。
AIが生成した情報が溢れる時代には、信頼できる発信源を特定し、真正性を担保する「アイデンティティ」の価値が爆発的に増大すると予測する。
Okta製品もAIを導入済みだ。例えば、複雑なセキュリティポリシー設定においてAIが推奨案を提示することで、IT担当者の負担を軽減し、より効率的かつ安全なシステム運用を支援できると見込む。
Q. 日本市場に対するOktaの戦略や期待はどのようなものか?
Oktaにとって日本市場は極めて重要な戦略拠点だとマッキノン氏は強調する。世界第3位の経済大国としての巨大な市場機会と、世界的な大企業が多く存在するからだ。
JCBやNTTのような日本における大企業の成功事例は、国内他企業だけでなく、グローバル市場においてOktaの導入を検討する際の強力なスタンダードとなるという。日本市場は売上だけでなく、世界的な認知度と信頼性を確立する上で不可欠だ。
メルカリでは、従業員2000人が利用する400以上のSaaSアプリケーションのアカウント管理をOktaで自動化。これにより管理コストを5分の1に削減し、IT部門はより生産的かつ創造的な業務に注力できるようになっている。
NTTは、場所を問わず働く社員のセキュリティ確保のためOktaを導入した。Oktaをセキュリティプログラムの「神経中枢」と位置づけ、マルウェア検出時にログインを自動遮断するなど、IDを中心とした新しいセキュリティモデルを構築している。
従来のVPNに頼るセキュリティモデルはハイブリッドワーク時代には限界がある。IDを核とし、様々なセキュリティツールと連携するOktaのアプローチは、現代企業の課題解決に不可欠だと考える。
Q. 激動の時代にビジネスを成長させるためのアドバイスは何か?
現代はAIの進化や経済の不確実性など、大きな変化の時代だ。これらの変化は不安をもたらしがちだが、同時にかつてないほどの巨大な事業機会が潜んでいるとマッキノン氏は述べる。
停滞を避け、組織を近代化する好機と捉えるべきだろう。AIやクラウドコンピューティングなどの最新技術を積極的に活用し、生産性を向上させることで、市場での競争優位性を確立できるはずだ。
臆することなく変化を受け入れ、目の前の課題を解決し、新たな価値を創造していくことが、現代のビジネスパーソンには求められる。この激動の時代こそ、新しい挑戦が大きな成功を掴む絶好のチャンスだと彼は強く示唆する。