
2022年11月7日
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第2話では「YMYL領域においては大手優位の状況が強く、スタートアップが戦うのは厳しい」という話をしましたが、その領域の外ではまだまだ戦える場所があります。

例えば、グルメの分野。大手が強いのは変わりませんが、「渋谷 道玄坂 ラーメン」と絞った単語の検索になると、SEOの工夫次第で早く検索上位を取れる可能性があります。
もちろんGoogleはグルメの分野でも、検索者が不利益を被らないようなアルゴリズムを採用していますが、「Googleの検索で出てきたラーメン屋がマズかった!」という人が出てきても、それは医療や金融分野の事故と比べれば深刻さは低いですよね(笑)。大手企業や専門家以外でも参入の余地があるわけです。
人がネットで検索する際の目的には、大きく分けると2つの種類があります。
上の例のような「何か情報を得たい」という目的で行う検索は「Informational(情報型)クエリ」と呼ばれます。「エアコン 節電」「換気扇 掃除方法」など、何かの行動を起こす前段階での情報収集での検索というイメージです。
もう一つの種類が、トランザクション(取引)が発生する「Transactional(取引型)クエリ」です。こちらはお金が絡むものなので、基本的にYMYL領域に含まれます。
なお両者の特徴を併せ持つ検索クエリもあり(例:「iPhone」など。「apple」と検索してAppleの公式サイトに行く場合などの「Navigational(案内型)クエリ」というものもありますが、今回は割愛します)
大事なのは、検索上位の獲得を目指すのが「Informational(情報型)クエリ」の場合と「Transactional(取引型)クエリ」の場合で戦い方が変わってくるということです。
Transactional クエリはYMYLの領域に入るため、大手以外が戦うのは厳しいです。例えば「オーブントースター」でも「炊飯器」でも「ビアグラス」でも、プロダクト名で検索を行うと、上から楽天、Amazon、ヨドバシなど、大手のECサイトがズラリと並ぶケースが多いはずです。
流行に敏感な消費者の間で話題となった程度では簡単に検索順位は上がらず、広い評判を呼んだうえでSEOにもキッチリ取り組まないと、既存の大手には勝てません。僕はスタートアップのSEO支援も数多く取り組んできましたが、こうした事情を知らない経営者やSEO担当者は意外と多いです。
では順位を上げるには何をすべきなのか。
もちろんサービスや商品そのものが優れていることが前提ですが、そのうえでブランド力や知名度を向上していくことです。
Googleは様々な指標でブランド力や知名度を計測しており、「被リンク数」のほか、企業名やサイト名、店舗名、ブランド名などがそのまま検索される「指名検索」、他サイトやSNSに書かれる「メンション」などを増やしていくことが大事だと考えられています。
そのため資金力のある企業が、テレビCMなどでしっかり資金を投入すれば、比較的早い期間で検索上位を獲得することも可能です。また大手企業の場合は他にもサイトを持っているでしょうから、そこからうまくリンクを張ったり、大手企業の運営であることが明確に伝わるサイト構造にしたりすることで、早く順位を上げていくことができます。
では次はInformational(情報型)クエリの場合です。
先ほどのグルメの例のように、人が情報を求めて検索するInformationalクエリについては、YMYL分野でなければ「いい記事を作ること」で大手を逆転することが可能です。逆に言えば、大手でも適当な記事を作っていたら検索上位は取れないということです。
例えば、先に例に挙げた「エアコン 節電」「換気扇 掃除方法」というような生活に密着したハウツー系の記事は、比較的早く上位を取りやすいイメージがあります。

旅行関連の分野でも、検索クエリによっては上位を取ることは可能です。例えば「札幌 ホテル」のような検索だと、Transactionalクエリの性質が強いので上位獲得は難しいですが、「しまなみ海道 ドライブ」のような、観光系のハウツー記事なら、大手を抜ける可能性もあるでしょう。
ただ旅行関連の分野はハウツー記事からホテルのリンクなどに誘導もしやすく、アフィリエイトが貼りやすいこともあり、ブロガーさんの記事が非常に強く、競争率は高いです。
プロのブロガーさんやアフィリエイターさんには質の高い記事を書く人も多いので、スタートアップがコンテンツの質で勝とうとしても難しいケースもあるでしょう。

では、質の高い記事とは一体どんな記事なのか。今の時代のSEOでは、具体的にどのような作業が必要なのかについて、第3話で解説します。