
2022/11/02
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東京大学教授・宇野重規氏は『民主主義とは何か』(講談社)の中で、民主主義が成立する条件として下記のような内容を挙げています(一部要約)。
・すべての人々が参加できること
・自分たちの未来を、自分たちで決めること
・オープンに議論がなされること。その議論のプロセスが公開されること
・意思決定をすること
・少数派の意見を組み入れた運用をすること
・決定には自発的に従うこと
企業活動においても、チームを構成する全員が当事者性をもって意思決定に参加することが、メンバー一人ひとりの自発的行動を生み、最速最大の成果につながります。

ここからは、チームであるテーマについて話し合い、行動につながる結論を導くまでのプロセスに何が必要なのか、具体的に説明していきたいと思います。
まず、おさらいとして、話し合いに実効性を持たせるには「対話」と「決断」の2つの要素があるということを再度確認しましょう。

ポイントは、話し合いのプロセスにおいて「今は、対話の時間です」「これから決断の時間に入りましょう」とフェーズの区別をし、それを参加者全員が認識するということです。
「対話」のフェーズでは、お互いの意見を出し合い、違いや共通点を確認することが目的なので、共通認識はほとんど存在しません。
対話を重ねるうちに、「違いのすり合わせ」が進み、徐々に共通認識の量が増えていきます。意見が十分に出尽くし、対話量が減ってきたら、「決断」のフェーズへ。
話し合いをするときには、以下の2つの意識を常に持ち、メンバー全員で握っておくことが大切です。
(1)今の時間は、「対話」なのか「決断」なのかを区別する
(2)今日の話し合いでは「対話」で終わるのか、「決断」まで進むのかを確認する
この2つの意識がないまま話し合うと、対話と決断のフェーズが混線し、「メンバーが十分に納得できないまま決断を急ぐ」「ずるずると対話が続いて結論が導き出せない」といった状況が生まれます。
したがって、まずはこの2段階構造を全員が認識することが話し合いを始める大前提となります。

同時に、最初に忘れずに行いたいのは、「目的の確認」です。
「なぜ私たちがこのテーマについて話し合う必要があるのか。話し合いによってどんなメリットがあるのか」をメンバー全員が理解し、当事者性を持って臨まなければ、話し合いを終えた後の行動(自発的フォロー)にも結びつきません。

はじめに、目的を全員で握る。そのためには以下の4つの角度で、話し合いを始める意味を確認するといいでしょう。
(1)Why do? :なぜこのテーマで対話するのか?
(2)Why now? :なぜ、この忙しい時に、今、対話するのか?
(3)Why us? :なぜ、他ならぬ私たちが、対話をしなくてはならないのか?
(4)What’s merit? :対話の先に、どんなメリットが考えられるのか?
「面倒だな」。きっとそう感じた人は多いでしょう。
しかし、この最初の目的の共有がうまくいかなければ、その後の話し合いの実効性は期待できません。
冒頭の1分、ファシリテーター役のマネジャーから、目的共有のためのガイダンスを入れることをぜひ習慣化してほしいと思います。

目的を確認できたら、いよいよ対話を進めていきます。
続く第4話では、「対話」のフェーズで多様な意見を表に出すために、リーダーが心がけたいルールを紹介します。
※11月3日(木)公開予定の第4話に続く