
2022年10月28日
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私の大学時代は「リョーマ」一色だったと言っていいでしょう。
私がリョーマに加わった当時、現在GMOインターネットで副社長をされている西山裕之さんが2代目社長を務めていました。

西山さんは大学を中退し、ビジネスに専念していましたが、「社長とはこういうものだ」という像を見せてもらった気がしています。それが、私がリョーマで得たものの1つです。
その頃、スタッフの多くが現役の大学生でした。まだまだ社会人としての自覚が足りず、寝坊して遅刻なんていうことは日常茶飯事でした。
朝、会社に来ないメンバーがいると、西山さんが決まって「起きろ!」と電話をかけていました。いつもそんな状態でした。
ある日、西山さん自身が朝寝坊して遅刻してきました。学生たちは面白がって「うわー、寝坊した、寝坊した」とはやし立てました。
そのとき西山さんは真面目な顔でこう言ったのです。
「申し訳ありません。社長である自分自身が一番しっかりしないといけないのに、うっかり寝過ごしてしまいました。罰としてこれから1カ月、毎朝一番に来て会社の掃除をします」と。

今でも、この場面を鮮明に覚えています。学生みんなで面白がって「わー」と騒いでいたのに、その言葉で「ええ、マジやん……」と静まり返りましたから。
西山さんは有言実行しました。翌日から毎朝一番に出社して掃除をしていました。
そうした姿を見せられたら、スタッフの意識はガッと変わりますよね。学生気分が完全に抜けたと思います。

それと同時に、社長というものに対するイメージが変わりました。
それまでは学生の浅はかな考えで「社長は偉そうにするもの」と思っていましたが、そうではなかった。
「社長は自分に一番厳しくしないといけないし、背中で姿勢を示さないといけない立場なのだ」と痛感したのです。
いわば、このとき今の私のリーダーシップスタイルであり、経営のスタイルであるものは決まったと言っていいでしょう。

リーダーにはいろいろなタイプの人がいます。
私は大学卒業後、リクルートに入社するのですが、新人時代の直属のリーダーがとても印象に残っています。私は1、2年目で、そのリーダーは入社5年目ぐらいだったと思います。
その頃、私たち新人には決まった取引先がなく、ひたすら新規開拓営業をする毎日でした。リーダーは大きなクライアントをたくさん抱えつつ、私たちと一緒に新規開拓もやっていました。
私は純粋に「この人は本当にすごいな」と思っていました。

ただ、私と同期の評価は違っていた。ある同期は「自分たちより社歴は上なのに、やっていることが俺らと一緒で、夢がないよね」と話していました。
そのとき私が感じたのは、同じことをしていても、見る人によって評価が異なるということでした。私からすると素晴らしいリーダーなのに、ほかの人からすると夢のないリーダーになるわけです。
つまり「どんな経営スタイルを取っても、認めてくれる人もいれば認めない人もいる。全員に認めてもらおうとすること自体が無理なのだ」と思い至ったのです。

だから自分は他人の評価に惑わされず、自分のやるべきスタイルを貫いていくしかないと思い、それをずっと実践しています。
社員によっては「社長がそんな細かいことまでやるなんて夢がないな」と思っているかもしれませんし、その逆もあるかもしれません。
その1つのリーダー像を見せてくれたのが西山さんで、今も尊敬しています。

*明日に続く。