
2022年9月12日
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FinTは女性向けSNSメディア「Sucle」の運用で培った知見をもとに、幅広いSNSマーケティング支援事業を手掛けている会社です。旅行や料理、ファッション、美容などの領域で、SNSの運用設計から投稿、効果測定まで一貫してサポートしており、2022年4月時点で150社以上のアカウントの支援を行いました。

SNSマーケットのトレンドを分析すると、数年前はInstagram(インスタ)でバズり、商品が売れることが主流でしたが、今はTikTok売れやTwitter売れのように、商品が売れる場となるSNSが変わっています。
「インスタ映えはもう古い」というのは、マーケターや仕事でSNSを使う人なら気づいているでしょう。
「これからはTikTokにリソースを割いたほうがいい」「Twitterのほうが効果的だ」と感じている企業のSNS担当も多いかもしれません。たしかにそうなのですが、インスタは役割が終わったのではなく、変わっている。それを意識していないと、機会損失してしまいます。
インスタはバズの場ではなく、商品の詳細情報を提示する“ホームページ”としての役割に移り変わっているというのが私の実感です。つまり、他のSNSからの流入、受け皿として役立っているのです。
この背景には、Z世代(1996〜2010年ごろに生まれた世代)やα世代(2010〜2020年ごろに生まれた世代)など若い世代の意識や行動の変化があるとみています。まずは行動の変化について説明します。
今の高校生や大学1〜2年生などは、スマートフォンを持つやいなや、SNSに触れている世代。自分に合った情報が流れてくるスマホメディアに慣れているため、検索する習慣がありません。
インスタは検索タブを押すと、利用者に合わせてお薦めの投稿が出てきます。更新すると、また別のお薦め投稿が表示される。利用者は受け身でも、たくさんの情報収集ができます。
次に流行ったのがTikTok。TikTokはインスタ以上に受け身でしょう。何もしなくとも動画がどんどん流れてきます。
ではどうやって情報を収集するのか。例えば、TikTokでバズっていたコスメが欲しくなったとしましょう。インスタを開き、化粧品ブランドのアカウントを開きます。そして、同じ商品が載っている投稿をクリックします。
投稿内の商品画像に紐づけられたショップタグをクリックすると、オンラインストアにリンクし、より詳細な商品情報を見ることや購入ができるわけです。テキストで検索せずとも、クリックしていくだけで購入までたどり着けるので、とても便利です。
特にコスメは色違いなど商品数も多く、商品名も長い。ホームページでお目当ての商品情報にたどりつくのは、検索習慣のない世代には無理難題です。上の方法であれば、確実に自分が気になった商品の情報にたどり着くことができます。
下は、品数が多いコスメ情報を見やすくしているCANMAKEのインスタの例です。

面白いのが、店頭でインスタやTikTokの投稿を見ている若い世代が多いことです。「わざわざここで見なくても、そこに商品があるのだから直接みればいいのに」と思う人もいるかもしれません。なぜこのような行動をするのでしょうか。
店頭で該当商品を探し、この商品で合っているかを確認するために、店頭でSNSを再確認しているのです。SNS上で保存していたり、その投稿をスクリーンショットしていたりさまざまですが、再確認していることは間違いありません。
または、「店頭でお目当てのものは見つかった。もうちょっと買うべきものないかな」という視点で、SNSを見ている場合もあります。
例えば、最近のSNSで人気のある投稿に「ドンキで買うべき9選」といった“まとめ投稿”と呼ばれるものがあります。ドラッグストアや生活雑貨専門店ごとのおすすめ商品や、シャンプーなど1つのカテゴリで異なるメーカーの商品を紹介する投稿です。
まとめ投稿はテキストコンテンツとしても、動画コンテンツとしても伸びています。この投稿を家で見ている人もいますし、店頭で「何か買おうかな」と、確認のために見る人もいるのです。
下はグローバルECブランドの「SHEIN」の公式アカウントの投稿。SHEINは、インフルエンサーがPRなどで投稿したものを、公式でリポストするということをたびたび行っているようです。ECで買い物をするときに、「もう1つ何か買おうかな」と、公式アカウントを見て買い足すという行動を促します。

このように、若者の買い物の仕方は大きく変わっていると感じます。一度SNSを見て、時間が経って店頭などで再度見直しに戻ってくる。これを想定し、SNSとリアル店舗を連携できると、より購買につながるということが期待できるでしょう。
SNS運用担当の中には、「Twitterにせよインスタにせよ、フォロワーを増やすのが前よりも大変だ」と感じている人も多いでしょう。実際、フォロワーを増やすのはどんどん難しくなっています。フォローという行動の重みが変わっているからです。
Z世代は自分自身が「何を推しているか」を非常に大切にします。その意識は、普段の持ち物や身に着けるものだけでなく、SNSのアカウントにまで波及しています。
自分が誰をフォローするかは、すなわち「誰を推しているか」ということになり、自分のアイデンティティーといえるほど重くなっています。そのためフォローする人を厳選するか、あるいは何千人もフォローして推しを隠す人もいます。
厳選して好きなものをアピールするのもひとつ、何千人もフォローして幅広く情報を収集しているとアピールするのもひとつということです。
そういう意味で、フォロワーの数をKPIにすると、運用は行き詰まります。コンテンツひとつひとつが大切で、特にTikTokやTwitterでは1つの投稿でバズを起こすこともそれほど難しくありません。
もちろん、フォロワー数が多いほうがバズりやすいとは思いますが、フォロワーを増やす施策よりも、1回1回の投稿に力を入れるほうがよっぽど大切です。
フォローしていなくても、良い投稿で投稿時のインプレッションが高ければ、フォロワーではない人にも表示されます。そういった良い投稿がたくさんなされた結果、投稿を見たいと思うファンがフォローするので、フォロワーが増える。だいぶ後から結果がついてきます。
第2話ではインスタの役割の変化について、より詳しくお話していきたいと思います。
※第2話は、2022年9月13日公開。