
2022/08/16
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はじめまして、電通で営業をしている東成樹といいます。電通に入社して8年目。普段は広告ビジュアルの制作や商品プロモーションなどの仕事をしていますが、語学が好きで、プライベートで国内外のいろいろなところで自主的に取材をしています。

今年の5月、プライベートで2週間ほどインドに行き、インドの投資家やスタートアップにインタビューしてきました。
どうしてインドだったのか?
はっきりとした答えは私自身も分かりません。ただあえて言うとすれば、何らかのヒントをもらいたかったのかもしれません。
今の自分の仕事は非常に魅力的で、やりがいがあります。日本を代表する企業や一流のビジネスパーソンとも一緒に仕事ができます。
でも一方で、「日本にだけいて、いいのだろうか?」と考えることもあります。
今年の頭に、ドバイ万博へ行った時のこと。世界各地から人が集まり、新しいビルが次々と建設される様子を見て、日本との経済成長の差を実感しました。こうした課題を考えるときに、よく引き合いに出されるのは、アメリカのシリコンバレーです。
つい先日も日本政府がシリコンバレーに1000人規模の起業家を送ることが発表されました。経済系の記事や本を見ても、取り上げられるのはシリコンバレーが主です。
でも、日本ではあまり注目されていませんが、インドもシリコンバレーには負けていません。今後、インドは人口が世界一となり、世界の経済を引っ張っていく存在です。ユニコーンの数は今年、100社を超えました。インドのシリコンバレーと呼ばれ、スタートアップが活況の「バンガロール」(正式名はベンガルール)もあります。そしてインドの成長に賭け、現地のスタートアップ業界で活躍する日本出身のビジネスパーソンも目立ってきました。

今回のインド取材のため、東京都内の書店に行ってみると、「インド×スタートアップ」というテーマの本はあまり多くない印象でした。私自身、今回が初インドでした。
インド経済が活況なのは、聞いたことはあっても実感はできていない。それが多くの人の認識ではないでしょうか。
インドが目覚ましい経済成長を始めたのは2000年代に入ってからですが、いまだに「インドといえばカレー」「インドといえばバックパッカーの若者が訪れる国」というイメージが根強い。少なくとも私には、そういうステレオタイプがあったことは否めません。その知識と現実とのギャップを埋めるために、インドに滞在して取材しようと思ったのです。
特に現地で活躍する日本人のスタートアップ幹部やVCを中心に会ってきました。
日本人が海外に飛び出す。それもシリコンバレーなどの欧米諸国ではなく、インドを選ぶ。そこにはどんな思いや夢があるのか。それぞれの方の「バンガロールドリーム」を探ってきたのです。

羽田空港から飛行機に揺られること約10時間。私が気温40度近くのインドに到着したのは平日の午後5時のことです。空港から出て真っ先に感じたのは「昔ながらの風景」と「新しいテクノロジー」との共存でした。
例えば、街を行き交うオートリキシャ。これは「昔ながらの乗り物」ですが、スマホを使ってUberという「新しいテクノロジー」で呼べてしまう。Uberでよくみるような乗用車のマークが、オートリキシャのアイコンになっています。


便利なのは、全く値段の交渉がいらないことです。行き先と乗車場所をアプリで指定したら、あとはリキシャを待つだけ。金額は、アプリが距離に応じて設定してくれます(10-20分の乗車で数百円です)。
インドはスマホ大国。一説によると、「7.5億人がスマートフォンを持つ」といわれています。例えば、10分で日用品が家に届くアプリもあります。


なんと、水とチョコレートが20分で届きました。
さらにはこんな昔ながらのお店でも、QRコードで支払いができます。


それもそのはず。実はインドではWi-Fiの使用料が、日本と比べて破格に安いのです。こちらは、私が空港で買ったインドのAirtelのSIMカード。

Wi-Fiが毎日1.5GB使えて、1カ月でたったの1000円という価格帯です。
インドでは、格安のWi-Fiやスマホの普及を背景に、決済・配送・交通など多様な領域にわたるサービスが展開されています。そして、旧式の生活に、スタートアップの画期的なサービスが加わって、新式の生活が始まる。私は国全体のダイナミックさを感じました。
インドはこれからどこまで伸びるのか。どこに可能性があるのか。そんなインドの未来を読み解くキーワードは「10」という数字です。
※第2話「なぜ、インドはスタートアップ大国なのか?」に続く