
2022/08/08
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ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)を経て、就職活動。IT業界トップの会社で、自分よりも優秀な人たちと仕事をする経験こそ、何より代えがたいものになるだろうと考えていたので、それを軸に活動しました。
2010年当時、シリコンバレーで誰もが行きたい会社といえばGoogle。採用率は2〜3%と言われており、難関と言われるHBSの合格率でさえ8%だったことを思うと、本当に狭き門でした。

入社後は、オペレーションチームに配属になりました。Googleショッピングのデータ分類をするAIのようなソフトがあり、そのためにデータを整理し管理する仕事です。
Googleでは、誰かが事業について丁寧に教えてくれる文化はありません。膨大なデータや資料のリンク集は送られてくるので、必要だと思えば自分で事業の全貌を把握しなければなりません。
まず、各リンクをたどって、今自分の部署がやっている仕事について、ウィキペディアのような説明を読み解きました。しかし、木を一つ一つ見ていても、森が見えてこなかったのです。
自分のチームが担当しているオペレーション部分が、機械学習全体のどこに位置するのかを理解しなければと思いました。
機械学習の全体感を把握するためには一度、体系立てて学ぶ必要があると思い、MOOCを活用することにしました。
MOOCとは、Massive Open Online Courseの略で、インターネットを利用した大規模なオンライン講座を指します。
講座の提供元の多くは国内外の有名大学や研究機関で、質の高い講義を無料(または低額)で受講できます。
私が取ったのは、Appleが当時提供していたiTunes U(University)。今、メジャーな存在となった「Coursera」などの先駆けでした。私はそこで、スタンフォード大学の教授による「機械学習のいろは」が分かる授業を取って、勉強しました。

その後、同僚のエンジニアを誘って、さらに理解を深めるための勉強会を社内で開催しました。エンジニアにとって直接的なメリットはないものの、みんな忙しさの合間を縫って参加してくれました。
だんだんとチームメンバーや上司も加わり、規模の大きい勉強会となりました。参加するメンバーにも、機会がないと言えない・聞けないことがあったようで、建設的な場となりました。
今考えると、私がGoogle内でこの勉強会を立ち上げたのは、HBSでのLearning Teamで経験した「周りを巻き込む学び」が生きたのかもしれません。グループでディスカッションしながら学ぶことは、他の人の学びにもなるので、チームワークに結びつきます。
Googleでは、勉強会に参加していた同僚と、勉強会の話題についてより深く話し続けていました。そして、チームでデータパイプラインの改定案をつくり、エンジニアに提案したこともありました。
勉強会で得た知識をもとに「もっと効率の良い方法を考えた」と提案すると、エンジニアたちも勉強会に参加しているので、話も早いのです。
エンジニアチームとオペレーションチームのコラボレーションが生まれて、チーム全体にとってポジティブな循環を生むことができました。やはり、人を巻き込む学びには、相乗効果があると実感しました。

一人で学ぶ場合も、学んだことをブログなどの文章にまとめて人に読んでもらうなど、自己完結で終わらせずにアウトプットすることを心がけていました。言葉にすることで、自分の中の情報としても強化され、脳の中で引き出しが作れます。
学ぶのは誰でもできますが、情報を吸収したあとに何をするかが個人の差別化につながります。
ビジネスの文脈で学んでいるのであれば、やはりビジネスにどう生かすかを考えて、アウトプットするといいでしょう。
さらに周りを巻き込んだ学びの場・アウトプットの場づくりができると、一石二鳥どころか、一石四鳥くらいになると思います。
※3話に続く。3話では起業後も続いている学びについて紹介します。