
2022年7月22日
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ここ最近、急激に増えているのが、ESG、サステナビリティの分野の専門家を、経営の中枢プロジェクトに招き入れる動きです。
数年前から、ESGに取り組んでいることを示す投資家向け開示資料をつくるサポートをしてほしいというニーズはあったのですが、それは「やらなければならない」というレベルでした。それが一歩進んでいます。
ESGを本格的に事業に落とし込んで推進する、プロジェクトリーダーを副業で求める動きに変わっています。
サステナブル推進部などの上層部は、数年前から、投資への開示資料をつくるうえでも危機感を持っています。そして20代の若い層は自然と関心を持っている。その中間層の関心が抜けているというのが、今企業で起きている現象です。
普段自分の仕事で手一杯の中間管理職層に、サステナビリティ理解を浸透させて動かす役割が求められています。

ところがこの分野、適した副業人材がほとんどいません。需要と供給がいびつになっています。企業のなかでサステナビリティ推進を手掛ける人は、気づいていないかもしれませんが、副業人材としてかなりのラブコールがあると思います。
地方の中小企業でもニーズがあります。
例えば福岡県のごみ処理事業を営む林田産業。もともとごみ処理の高い技術を持ちサステナビリティの文脈に沿った事業を営んでいますが、その価値は社内外に浸透していませんでした。そこで、会社のパーパスを再定義する専門家がプロ人材として参画し、サステナビリティに取り組む会社としての発信ができるようになりました。
実は社内にすごい資産が眠っていることは多いです。それを引き出すために副業のプロ人材が活躍します。
サステナビリティのように、ビジネストレンドとなるキーワードは、副業マーケットも盛り上がる可能性が高いとみていいでしょう。
今起きているのは、「DX人材はかなりニーズがある、サステナブル人材は、今まさに来ている」。では次に来るのは何かというと、メタバースやNFT、ブロックチェーンなどの事業が分かるWeb3人材だと予想します。
このあたりの案件は少しずつ稼働してきています。Web3分野に特徴的なのが、フリーランス人材や副業人材というよりも、海外でブロックチェーンの会社を運営する起業家が、大企業に入ってプロジェクト推進する新しい流れです。
実際、連続起業家でありWeb3分野にも詳しい小林慎和さんに登場いただいたウェビナーは600人以上の企業の方が視聴。これは過去最高の視聴数でした。大企業の新規事業開発部の方が、「何か自分たちもできないか」と、動いている印象があります。

個人が「案件を受託する場合、何を重視しているか」についての調査が以下です。「報酬(時間当たり43.2%、プロジェクト当たり49.4%)」は、案件を選ぶ場合にも重要視されていますが、それよりも「プロジェクト内容(61.8%)」「自身の能力とのマッチ度(58.4%)」の方が重視されています。より自身が成果を発揮できるプロジェクトに、個人は参画したいと望んでいます。

最近、経済産業省から出された「未来人材ビジョン」では、「企業は学ぶ機会を設けておらず、個人は学ばない」ということが指摘されていました。ところが、副業含めて複数社で働くプロ人材への調査では、学習活動に週 7 時間以上かけている人が 50% 以上。1 日 2 時間以上かけている人が 3 割近くいます。

企業の経営者には、「副業を推奨すると、それをきっかけに大事な人材が外に出てしまうリスクがある」という懸念もありますが、それはだんだん変わってきています。副業がきっかけでリスキリングに熱心になり、より学び続ける人材になるという見方もできます。
社員の育成を前向きにとらえる企業ほど、この意味を理解して、副業を推奨する動きがあると分析できます。
副業で、自分の能力を生かして働き、報酬も得る。そのためにニーズの高い職種を見てきましたが、どの職種にもいえる共通のソフトスキルがあります。
ひとつは「学び続けるアンラーン力」。特定のスキルを身につけていても、いざ自分が副業するときにニーズがある確証はありません。職種や知識のニーズは時代によって変化し、それを察知して学び直す「アンラーン」は必須です。
もうひとつのソフトスキルが、「マネジメント力」です。

個人としては、「外に出ても働けるよう、スペシャリストになったほうがいい」と考えるかもしれませんが、実際には何かの知識にたけているだけでは十分ではありません。
副業人材として、初めての会社に参画して経営に近い中枢のプロジェクトを動かすには、経営課題をとらえて、その企業特有の文化も理解しながらまわりを巻き込んでいくマネジメント力が重要です。上流過程のプロジェクトほど、いろいろな利害関係者のなかで円滑にものごとを決めていく、高度なマネジメントが必要。これが意外と見落とされがちです。
企業のなかで文化の違う部署をまとめる横断プロジェクトにかかわる、複数人をマネジメントする立場を積極的に担うことは、ソフトスキルを上げる近道かもしれません。
