
CTOも副業の時代 スタートアップのエンジニアに稼ぐチャンス
構成/三谷弘美 撮影/タナカヨシトモ
副業が「隙間時間に小遣い稼ぎをする手段」「外注しやすい業務」というイメージから様変わりしている。副業のプロ人材シェアを専門とするサーキュレーションによる、新しい副業スタイルの解説第2話。同社に登録するプロ人材は、副業・フリーランスを開始して半分以上年収が上がっている。
年収5000万円以上の人も。上がる年収レンジ
サーキュレーションが行った調査(「プロシェアリング白書2022」2021年11月調査実施)。副業・フリーランスを始めてからの年収レンジに変化があります。58.4%が増えたと回答し、16.8%が500万円以上、7.3%は1000万円以上も年収が増えています。
前回の調査(「プロシェアリング白書2020」2019年8月調査実施)に比べると、3000万円以上の層は、7.2%から12.3%に増え、5000万円以上の層はほぼゼロから8%ほどに増えています。これは、法人化して高い年商を得るケースが増えていると予想できます。
年収が上がっているのはいろいろな要因がありますが、その一つの要素として、プロジェクトの難度が上がっていること。よりプロフェッショナルの領域の副業が増え、プロジェクトごとの単価が上がっていることが予想できます。

単価の大きいプロジェクトも増えている一方で、地方の中小企業での副業人材活用も大変増えているので、データで俯瞰したときには「単価が上がっている」ことは見えづらいのですが、個人としては「同じ仕事で、求められるレベルも単価も上がった」と感じている人が多いでしょう。
以下が、年収の増減について聞いたデータと、現在の年収帯です。


しかも、副業・フリーランスを始めてから、働く時間は「減った」という人が4割以上います。年収300万円以下という層も厚くいて、なかにはワークライフバランスを重視して年収を減らして時間を確保した人もいるのは確かです。ただし、年収が減ったと答えた人以上に、働く時間が減ったと答える人がいるということは、働く時間当たりの単価は増えている実感がある人が多いでしょう。

どの職種の年収が高いか
職種ごとの年収分布をみていくと、どの職種も300万円以下と5000万円以上など両極に山があるという特徴がありますが、総じて年収が高いのはやはり難度が高くニーズがある中期経営計画策定などの職種です。また、マーケティングなど30代40代が活躍する職種でも、高めの年収を得る人が多いです。ここでは抜粋した職種別の年収分布を紹介します。

コロナ禍を経て急激に単価が上がっているのが、やはりDXの分野。店舗が運営できなくなり、ECに移行せざるを得なくなり、デジタルマーケティングが必要になったという企業から、「単価が高くてもいいから、DX化に強い人に来てほしい」というニーズが高まっているのです。
スタートアップのエンジニアにチャンス
そして、以前から「なかなか人材を採用できない」という認識のあるエンジニアの領域もやはり高いニーズがあります。どの職種もそうですが、エンジニアのなかでもAIを扱えるなど、希少性の高い技術を持つ人は単価も高くなります。
特に、CTOなど上位レイヤーの人材が不足しています。昔からの伝統企業でゼロからエンジニア組織を作ってDXに取り組むというゼロからのスタートが増えており、そこで活躍しているのは、大企業出身のエンジニアというよりは、意外にもスタートアップの組織づくりをした経験を持つCTOクラスの人たちです。

今は、フルリモートで地方の企業とかかわるということもできますし、企業の意識も「エンジニアのトップだけは自社で採用しなければ」と固執していては、いつまでも進まないという現状があります。
他社でCTOとして活躍する人に権限を委譲し、柔軟性をもって取り組んでいく方向に進んでいます。そのときに、小さくても組織を丸ごとつくった経験のあるスタートアップのCTOが強いのです。
本業に支障がない範囲で、他の企業のDX推進も行うスタートアップのハイレイヤーのエンジニアが増えており、かなり単価が高いです。
よく、「スタートアップへの転職は、ストックオプションがある代わりに年収が下がり、リスクは高い」と思われていますが、スタートアップはIPO時にだけうまみがあるわけではありません。
働き方が柔軟なスタートアップでは、他社で副業して高収入を得る働き方もできることも知っておいたほうがいいでしょう。
第3話では、まだデータには表れない職種について、ここ数カ月で急激にニーズが高まっている職種を紹介します。
(第3話に続く)