
2022年7月21日
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副業への関心は、企業側、個人側ともに高まり続けています。特に2022年6月に報道された、厚生労働省がすべての企業を対象に原則、副業を認め、副業を制限する場合はその理由を開示するように促すというニュースには、驚いた人も多いでしょう(日本経済新聞6月24日付)。

企業側の取り組みとして目立ったのは、三井住友海上が、副業や出向を経験していることを出世の条件とするという動きです。保守的だと思われた金融業界が大胆に副業を推奨する取り組みは、ビジネス界全体を大きく変えそうです。
実際、サーキュレーションが行った調査によると、2019年と2021年を比べると、人手不足がさらに深刻になっていることが分かります。

しかし、副業といえば個人側では「空いている時間に収入を増やす手段」、企業側では「本流ではない業務を外注し効率化する手段」というイメージがまだあるでしょうか。
実はそのイメージは、ここ1、2年の間に急速に変わっています。
サーキュレーションが得意とする「プロシェアリング」市場の成長が示すように、事業の根幹にかかわる重要な業務領域に副業人材を招き、プロジェクト単位で任せるという大胆な副業が増えているのです。
以下、サーキュレーションで行った調査データを見ながら、漠然と副業に対して持っている「誤解」を解きたいと思います。

以下は、「人手が不足していると感じる業務」について、2019年に実施した調査と、2021年に実施した調査を比べたものです。
2021年調査

2019年調査

※サーキュレーションによる「プロシェアリング白書2022」より。2021年11月に、インターネットにより調査を実施。外部人材実態調査は、副業・フリーランス・起業で仕事を受けている20代から60代の男女500人を対象。法人企業のプロ人材活用実態調査は、フリーランスや法人に所属しているが個人で仕事を受けているプロとしての個人、特定の領域を専門とした企業または業者に対して、仕事の依頼、またはアドバイスを求めた(求める)ことがある会社員300人を対象。2019年の調査については、「プロシェアリング白書2020」(2019年8月調査実施)
2019年の「人手が不足していると感じる業務」の上位はざっくりいうと、人事系、新規事業、生産系、システム開発系です。いずれも重要な業務ではありますが、ある意味以前から外部のプロ人材が入りやすい分野とも言えます。
それが2021年になると、「人手が不足していると感じる業務」は、M&A、中期経営計画策定、新規事業開発、マーケティングが上位に。明らかに企業の経営における中核業務で人手不足が顕著になっていることが分かります。
こうした人材が採用できない以上、副業人材に頼ろうとする企業が増えている様子が分かるのが、2021年の以下の調査です。


人材戦略が変わったと答えた企業のうち、「専門知識があり、プロジェクト単位で働いてくれる人」「副業・兼務で働いてくれる人」をより採用するようになったと回答している企業が多いことが分かります。
サーキュレーションの創業は2014年。その頃はまだフリーランスや副業という言葉が企業にも個人にもネガティブに響くところがありました。それが、2018年の働き方改革で大きく風向きが変わりました。そして、やはりコロナ禍により、実際にマーケットに変化が起きていることを肌で感じます。
企業では経営をDXなどに大きくかじを切る必要に迫られる状況が続き、経営の中核を担うメンバーが不足。一方で個人の働き手は、テレワークが進んだことにより時間ができ、副業に前向きになる人材が増えてきたのです。
日本の企業の「内製主義」の見直しが一気に進みました。
これまでサーキュレーションに登録しているプロ人材は、1人で3社ほどかけもつフリーランスや起業している方が多かったのですが、ここ最近、急激に企業人の副業が増えてきている印象です。
次によくある誤解が、職種のニーズです。外注しやすそうな広報や人事といった職種が副業ニーズが高いかいうと、状況は変化しています。
副業をしたい個人側からすると、どのような職種のニーズが高まっているのか。ニーズの変化を示すデータが以下です。

個人のプロ人材に、コロナ前よりも相談が増えたかどうかということを聞いた、テーマ別の案件相談量変化です。トップはIPO、続いて中期経営計画策定、M&Aなど、先に紹介した企業側のニーズと合致しています。

こちらは、専門性に対するコロナ禍の受注率を示したデータ。同じくIPO、M&A、中期経営計画策定のニーズが非常に高いことが分かります。一方で、副業人材が活躍しそうなイメージのある広報PRや人事系、システム開発、経理系は受託可能でもそれほど受注率が高くないのです。

さらに副業に対する企業側の誤解があるのが年齢です。「社員にぜひ副業してほしい」という経営陣の意見を聞くと、働き盛りの30代は自社の仕事に没頭させ、役職定年が近づいてきた50代のベテラン社員は「週3日勤務にして、週2日は副業でイキイキと働いてほしい」という相談が来るのです。

しかし、年代別の受注率を見ると、50代60代で受注率が高いのは、M&Aといった高度なスキルを持った特別な人材。30代40代は特に、業務改善や広報などで求められています。私の肌感覚では、特にマーケティングが関係する業務では、 デジタルマーケティングの知識が十分あり、TikTokなど最新のSNS事情にも詳しい30代に来てほしいというニーズがあります。


実際、副業とは、いきなり転職や独立をする前に、自分が外に出てどのくらい通用するのか試したいという場合に向く活動です。そして1社に勤める期間が長くなりすぎる前に、他社のカルチャーにも触れて、広い視野を持てるようになることは大事です。できれば若いうちに副業を選択肢に入れることを勧めます。

第2話は、気になる「副業の報酬」と、調査データにまだ表れない、「肌感覚で急増している副業ニーズ」についてお伝えします。
※第2話は、2022年7月22日公開予定