
2022/07/19
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TikTok内での流行りをつぶさに分析していると、Googeトレンドで見ることができる「検索数」が、上がってくる少し前にTikTokでミームが広まってるケースが散見されます。

例えば、2021年に流行った「オートミール」。Googleトレンドで調べると2021年5月くらいから急激に検索数が上がり、6月にピークを迎えています。

実は、その少し前から、TikTokでオートミールのアレンジレシピや食べた報告などを紹介する動画が多く上がっていたのでした。TikTokのほうがやや先に動いているのです。
検索とは、人が意識してする行為です。明示的な目的があってやるわけですが、TikTokはもっと無意識的なものです。オートミールの動画の投稿が上がってきたのをなんとなく見て、いいねを押したり保存したりする人が増えていく。そして表示される回数も増えていく。人の意識に上がる前段階の興味関心を、アルゴリズムがとらえているわけです。
TikTokのアルゴリズムで表示される動画と、世の中の興味がシンクロしている点が興味深いと思っています。
TikTokの人気コンテンツのひとつに、「買ったもの報告」というものがあります。「#購入品紹介」「#コスパ最強」などのハッシュタグは非常に人気で、ユーザーが買ったものを開けるところや、使い方、よかったポイントを紹介するだけ動画が、よく見られます。
これまでのSNSに多かった「自分アピール」や「承認欲求」もあるのですが、純粋に、買ってよかった、という有益な情報を知らせたいという思いが感じられるものが多いです。
あるユーザーが「これ、いいよ」と紹介し始めたことが発端でTikTokで流行り始め、その後で企業側が「何が起きている?」と気づくということもあります。
また、せっかく流行りの兆しがあるのに、企業が気づかないということもあるでしょう。気づいていれば、企業アカウントからコメントして盛り上げるなど、何か施策を打つことができます。
企業でマーケティングや新商品開発をするチームで、TikTokを日常的に見ている人が少ないと、機会損失することもあると思ってください。
では、TikTokを使って積極的にマーケティングしようというときはどうするか。
ユーザーのインターネットのリテラシーが上がり、SNS上でのいわゆる「ステマ」は敏感に察知します。きれいに作り込んだ動画で宣伝するという姿勢ではなく、本当にいいものについて、使い方を紹介したり長期で使ったときのビフォー・アフターを投稿したりする、という活用のしかたは考えられます。
すでに短尺動画をうまく活用している食品やコスメなどの商材にとどまらず、例えばSaaSサービスなども、使うとどう業務が変わるのかを動画で分かりやすく見せることができたら、TikTokで注目される可能性はあると思います。
TikTokをうまく活用している企業は、TikTokのミーム文化、シミュラークル現象を理解しています。流行っているミームに乗っかって素早く動画を投稿する、真似しやすいコンテンツを仕掛けて、ユーザーの参加を促すなどです。特に、Z世代は企業キャンペーンのミーム動画にも好意的ということが調査で分かっています。

また、TikTokは他のプラットフォームに比べてコメントも積極的に引き出せます。ファンとのコミュニケーションを取る他、ユーザーの声を聞いて商品開発の参考にしたいときの手段としても使えるでしょう。
最近頂戴する案件の中でもの大企業からも、商品企画の段階から最初からTikTokを念頭に置いたキャンペーンの相談がは増えてきています。既に気づいている方々は、Productから始まるマーケティング施策全体をショートムービー対応させているのです。
TikTokはまだまだ企業キャンペーンにおいてはブルーオーシャンで、これから参入する企業・ブランドが増えれば競争は激しくなるでしょう。すべての業態について向いているわけではないですが、当たれば実りが大きい場合もあります。より実践と研究を重ねる意義が高まっていくと考えています。研究する価値は十分にあります。
参考文献:『新世代のビジネスはスマホの中から生まれる ショートムービー時代のSNSマーケティング』

(図版作成:クオモドデザイン)