
外国人政策、これが答えだ!親日国網を作って、日本語を世界言語化せよ
日本の外国人就労の現実とその未来戦略
日本の人口減少が深刻化する中、外国人労働者の受け入れに関する議論が活発化している。不法就労者の問題が取り沙汰される一方、実は多くの外国人が合法的に日本で働いており、その実態はあまり知られていない。雇用ジャーナリストの海老原嗣生氏が語る、日本の外国人労働者の現状と未来戦略とは。

Q. 人手不足は本当に深刻なのですか?
かつて日本では衰退産業から人材が流出し、非正規雇用を増やすことで労働力不足を補ってきました。具体的には製造業、建設業、農業などから人が出てきて、それを他の産業が吸収していました。さらに、主婦や高齢者、学生といった「縁辺労働者」を非正規雇用として労働市場に取り込むことで対応してきたのです。

しかし、現在はこれらの対策がもはや限界に達しています。2010年代以降、かつての衰退産業は底を打ち、むしろ人材を吸収する側に転じました。また、高齢者については、団塊世代が75歳を超え始め、労働市場から毎年30万人程度が退出しています。
女性の労働参加も既に高い水準に達しており、婚姻や出産後も就業を継続する女性が増加し、非正規から正社員への転換も進んでいます。結婚しても91%の女性が働き続け、出産しても60%が就業しています。こうした変化により、バッファとしての非正規雇用の女性はもはや期待できなくなっています。

さらに深刻なのは将来の見通しです。現在でさえ10万人程度ある「社会に入る22歳の若者」と「65歳で引退する人」の差が、10年後には年間100万人にも拡大する見込みです。AIや自動化だけでこの差を埋めるのは現実的ではありません。
Q. 外国人労働者の現状はどうなっていますか?
日本における外国人就労者数は200万人を超え、東日本大震災やコロナ禍の時期を除けば、毎年約20万人のペースで増加しています。
内訳としては、専門的・技術的分野の在留資格を持つ「専門技能」、単純労働に従事する「技能実習生」、そして長期滞在者の「永住者」が主な区分です。これに2019年に新設された「特定技能」が加わりました。

この中で意外と知られていないのが、「留学」という在留資格で来日し、就職して永住権を取得するルートです。年間約34万人が留学生として日本に来て、その多くが就職し、最終的に永住権を取得しています。
留学生の多くは日本語学校からスタートし、その後専門学校や大学に進学します。進学率は約80%にも達し、卒業後は年間3〜4万人が日本企業に就職しています。これは日本の総就職数の約1割に相当します。彼らは製造業、宿泊業、飲食業など、日本人学生があまり選ばない業種に就職する傾向があります。

Q. 技能実習生制度は問題が多いと言われていますが、実態はどうですか?
技能実習生に関しては否定的な報道が目立ちますが、全体像を見る必要があります。失踪者は確かに年間1万人近くいますが、これは全体の2%程度に過ぎません。また、死亡例についても、同年齢の日本人と比較すると、むしろ低い死亡率となっています。
失踪の主な理由はより高い賃金を求めてのことですが、これには構造的な問題があります。技能実習生の受け入れには管理監督機関への支払いなど様々なコストがかかり、正規のルートでは賃金を高くできない実情があります。
また、技能実習生に関する労働基準法違反などの問題は、実習生固有の問題というより、日本の中小企業全体の問題と見るべきでしょう。技能実習生の半数以上が9人以下の零細企業で働いており、こうした企業でのブラック労働環境が問題の本質です。

一方、技能実習制度は年々改善されており、現在は2ヶ月〜3ヶ月の研修期間、日本語教育、帰国時の旅費支給など、様々な支援体制が整っています。また、2017年には外国人技能実習機構が設立され、違法行為の取り締まりも強化されました。
Q. 外国人労働者政策の今後の方向性はどうあるべきですか?
まず、不法就労者の取り締まりは厳格に行うべきです。その上で、合法就労者については、将来的な世界戦略の一環として位置づけることが重要です。
具体的には、技能実習や特定技能で来日し、帰国した人々(年間約15万人)をネットワーク化し、日本のファンとして活用する戦略が考えられます。彼らの多くは日本での経験を高く評価しており(帰国者アンケートでは90%以上が「役に立った」と回答)、日本型マネジメントを学び、自国で成功を収めています。

こうした人材を各国の政治家や企業家として育成し、日本のロビイストとして活用することは、国際戦略として有効です。例えば「日本就労経験者連盟(JWEA)」のような組織を各国に設立し、彼らを核として日本語・日本文化の普及、技能実習生の送り出し機関の監督、日本企業の海外展開支援などを行うことが考えられます。
また、永住権付与にあたっては「同化適合基準」を設け、日本社会への適応度を評価するポイント制を導入することも検討すべきです。これにより、ゲットーの形成を防ぎ、社会統合を促進できます。

こうした取り組みの資金源としては、社会保険協定を結んでいない国出身の技能実習生が支払った年金の企業負担分(帰国時に本人負担分は返還されるが企業負担分は没収されている)を活用する方法があります。これは一人あたり約250万円にも相当し、本来の目的外使用ですが、有効活用すれば資金問題は解決できます。
Q. なぜこうした戦略が今まで議論されてこなかったのですか?
外国人労働者の問題は政治的に敏感であり、左右両派からの反対があります。そのため、これまでは閣議決定レベルで「留学生30万人計画」などを進め、表立った議論を避けてきた経緯があります。
しかし、日本の人口動態や労働市場の変化を考えれば、もはやオープンな議論を避けることはできません。技能実習生や留学生の受け入れを単なる労働力補完ではなく、国家戦略として位置づけ直す時期に来ています。
この議論を深めることで、不法就労者の問題と合法就労者の活用という2つの課題に、より効果的に対応できるでしょう。