2022/03/19
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この連載「起業1年目の教科書」で私が最初にお伝えしたいのは、「必ずしも起業家という道を選ばなくてもよいけれど、起業家的な人生を送ってほしい」ということです。
皆さんは「働く」ということをどのようにイメージしているでしょうか。おそらく、多くの人は「働くこと=就職」と考えているのではないかと思います。
つまり、どこかの企業・団体に所属することと働くことが同義になっているのです。
仕事とは所属する会社から与えられるものであり、上司の言うことを聞いて頑張ってタスクをこなしていれば評価されるというのが、一般的な労働観かもしれません。
このような考えは、「いい会社に入ることが人生の勝利の方程式である」「そのためにはいい高校に入り、いい大学に進学すべきだ」という考えにつながりやすいといえます。
しかし、子どもの頃から一流大学進学を目指して塾通いをし、苦しい思いをしながら勉強を重ね、有名校から一流企業へと進むことができたとして、それが「勝利」といえるかどうかは疑ってみるべきです。
一昔前までは社会全体が「一流企業で定年まで働く」という成功イメージを共有していたかもしれませんが、過去20年を振り返り、さらに今後20年がどうなるかを考えれば、「一流」といわれてきた大企業の成長性を無条件に信じることはできないでしょう。
本来、「働く」ということとはどこかに所属することを意味しません。
自分で仕事をつくる起業という道もあれば、新たに仕事をつくろうとしている人の仲間としてベンチャーで働き、一緒に居場所をつくっていく生き方もあるのだということに、ぜひ目を向けてみてほしいのです。
実は私自身、学生時代は「人生は所属がすべてだ」と思いこんでいました。