
2022/10/24
読了目安5分

「売上最小化、利益最大化」を目指し、独自指標「無収入寿命」「5段階利益管理」で会計管理をすることで、高収益率と安定成長を実現している北の達人コーポレーション。
木下勝寿社長が型破りな経営戦略と、その経営スタイルに至った修業時代を語り尽くす。
「マイヒストリー」全19話を毎日連続で公開。※無料登録で全文読めます。
■第1話

北の達人コーポレーションという会社を聞いたことがない、どんな商品を扱っているかも知らない、という人がいるかもしれません。
それは当然です。なぜなら「当社の商品を欲しいと思う人以外にはなるべく目を触れさせない」という型破りの広告戦略を展開しているからです。
当社は「売上最大化、利益最大化」ではなく、「売上最小化、利益最大化」を目指しています。恐らく「売上最小化」を標榜する人はあまりいないでしょう。
■第2話

なぜこうした経営が可能なのかといえば、独自の指標で会計管理をしているからだと思います。
「無収入寿命」と「5段階利益管理」です。
■第3話

小学生の頃、スポーツ根性もののアニメ『巨人の星』を見て、登場人物の家庭環境に興味を持ちました。
星飛雄馬は長屋住まい、片や花形満は豪邸に住んでいる。子どもながらに「この差は何だろう?」と考えました。
■第4話

私は遊びの延長線上ではなく、本気でビジネスがやりたいと思っていました。
そんなとき出合ったのが、のちに上場企業の経営者を多数輩出した学生ベンチャー企業の「リョーマ」でした。
私と同じように、将来起業したいという人が勉強や修業のためにリョーマで活動していました。言ってみれば、梁山泊のような、トキワ荘のような場所でした。
今ではリョーマにいた仲間のほとんどが経営者になり、その半分くらいが上場を果たしています。
■第5話

現在GMOインターネットで副社長をされている西山裕之さんが2代目社長を務めていました。
それまでは学生の浅はかな考えで「社長は偉そうにするもの」と思っていましたが、そうではなかった。
「社長は自分に一番厳しくしないといけないし、背中で姿勢を示さないといけない立場なのだ」と痛感したのです。
■第6話

もう1つ、リョーマで学んだことは、ロジカルシンキングです。
悩んでいることや考えていることをこうしてロジカルに考えていくと、実はそんなにたいしたことはない。
■第7話

ちらっと起業を考えましたが、今の自分のレベルでは無理だなと思い、いったんリクルートで修業することにしました。
経営をもっとしっかり学びたいという思いもありました。いろいろな社長に会って話を聞きたい、できれば人脈もつくりたい、と考えていました。
■第8話

私は売れないものを売れるようにすることに対して、あまり努力しようという気が起きなかった。
いろいろなお客様にヒアリングをしながら、お客様が欲しがっているものをつくったほうが早いのではないか、とずっと思っていました。
■第9話

会社に600万円ほど損失を与えました。
あのとき「俺がリーダーだけど、先輩たちが主体になってやっているからもういいかな」と手を放してしまったのがよくなかった。
たとえ先輩ばかりだったとしても、強く主張しなければならなかったのです。
■第10話

私は1995年4月から1年間、木下の上司(課長)をしていました。当時の木下に形容詞をつけるとしたら、「粗削り」「偏っていた」でしょうか。
木下の、ここだと思った企業の社長へのアプローチのしつこさはすごかった。
あと、当時よくみんなでカラオケなどに一緒に行きました。木下は少年隊の『デカメロン伝説』が極めてうまかった。
■第11話

リクルートに入社して5年が経ったころ、起業のタイミングが来たと思い、退社を決意。28歳でした。
最初は日用品の販売から始めました。未熟で浅はかだったため、次第に売り上げが下降し、2年ほどで事業の継続を断念しました。
肉体労働のアルバイトをしながら何とか暮らし、1年がたった頃、再起業を決意しました。
■第12話

インターネットで商品を販売していて面白いのは、ほんの少し見せ方を変えただけで大きく反応が変わることです。
たった8文字加えただけで、売り上げが1.5倍になったことがあります。
■第13話

「北海道わけあり市場」を開設したところ、これが大成功。わけあり商品が一大ブームとなり、最盛期は年に30回ほどテレビ番組で取り上げられるほどでした。
それだけメディアに登場していても、売り上げはやがて頭打ちになりました。
自分たちで独自の商品をつくらないと、本当の意味での差別化はできないと改めて痛感しました。
■第14話

お客様に喜んでもらえる商品をより確実に届けるには、当たり前ですが、あまり喜んでもらえなさそうなものはつくらないことです。
こうして「びっくりするほど良いものができた時にしか商品化しない」という当社の開発ポリシーが生まれました。
■第15話

私は基本、チャンスは見送ります。「今がチャンス」と慌てて手を出すことはありません。
今がチャンスといわれているときは、振り返ると「今だけがチャンス」だった場合も多いものです。
■第16話

私は人に聞くことが大事だと考えています。
そのときに重要なのは、先入観を持たないこと。自分の価値観に置き換えないことです。
■第17話

ビジネスの流れに関わっている人がどういう感情でいるのかを知ることが重要だと、リクルートでの営業時代に学びました。
BtoBの場合、営業先と先方担当者双方の利益を満たす提案をすることが大切です。
■第18話

当社では社員をいち早く戦力化すべく、適材適所を徹底しています。
一人前になるまでに時間がかかり過ぎる。これを何とか解消できないかとずっと考えていました。
そんなとき、社員の仕事ぶりを観察していて、私はあることを発見したのです。
■第19話

当社では3カ月に1回ぐらいの割合で、管理職が集まり、削減できそうな経費をリストアップする「コスト削減キャンペーン」を実施しています。
例えば、企業の応接室に当たり前のように置いてある観葉植物。その必要性やコストについて考えている人はどれほどいるでしょうか。
今年7月、東京本社を銀座に移転しました。家賃の高い銀座のオフィスなんて、それこそムダではないかと思われるかもしれませんが、費用対効果ももちろん考えています──。
*木下勝寿氏の「マイヒストリー」第1話をスタート。本連載は毎日1話ずつ公開します。