2022/02/01
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竹下 齋藤さんは、「誰と何をやるか」というのを、とても大切にされているんですよね。
齋藤 世界中の人とオンラインでつながれる時代ですから、場所よりも「誰とやるのか」がより重要になったと感じます。
僕たちの場合は、福山望さんという先鋭的な農家さんの存在が大きかったですね。
逆に言えば、わざわざ夢を壊しにくるような人とは付き合わなくてもいいのかなと。
例えば僕たちは、10年ほどかけて「新富ライチ」という1粒千円のライチを開発して高評価をいただいていますが、当初は「売れるはずがない」という意見もありました。
多様な意見を聞くことは大切ですが、ネガティブな声まで鵜呑みにしていたら「新富ライチ」は誕生しなかったわけです。
ですから、すべての人と付き合う必要はないですし、意見にしても「何を聞いて、何を聞かないか」という見極めが肝心です。
竹下 おっしゃるとおりですね。
齋藤 とはいえ僕も、分からないこともたくさんあるし、短所もある。
例えば、僕は農業のこともロボットのことも、実はよく分かっていません。けれど、今や経営はチームで取り組む時代です。短所はチームで補い合えばいいんですよ。
僕自身、自分の短所も弱さもメンバーには開示して、ともに成長していこうとしています。
ちなみにアグリストでは、財務情報も含めてあらゆる情報を開示しています。個人情報以外はすべてと言ってもいいほどです。
嬉しいことに、名だたる大企業で活躍していた方が続々とジョインしてくれています。
佐々木 優秀な人材をどうやって口説いているんですか。
齋藤 採用がうまくいっているのは、メンバーのおかげですね。事業が順調であることが評価されているようです。
一方で、株主の方々が出資に至った評価ポイントをお聞きしてみると、僕に“巻き込み力”があるからだという声もあります。
ただその点は、自分では正直よく分からないんですよね。